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底なしバケツ  作者: 苔煉瓦
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夢。

夢に見た内容をそのまま文章にしただけだから何がどうなってるのやら僕にもわかりません(真顔)

 おかっぱ頭の白いブラウスを着て赤黒い色のロングスカートを穿いた少女が、真っ白い砂地が四方に広がり、疎らに見上げる程巨大な草花が聳え立つ空間で、大きな水溜りの上に仰向けになって浮かんでいた。


  少女の肌は青白かった。特徴的なのが顔を正面から見て、右上、左上、右下、左下と四当分したうちの左下の部分が欠損して、代わりに真っ黒い物質がその箇所を埋めていた。


 よく見ると、右腕も四分の一が欠損していて、肘から下の部分が縦に切られた様に欠損していた。手は全て揃っていて、長い先の曲がった鉄パイプを握っていた。


 ボーっとした様子で少女の上を跨いで巨大な影が通る。胴の太さが彼女二人分位の蚯蚓ミミズクガビルの様な怪物だ。その横っ腹に少女は鉄パイプをぶちかまし、強烈な一撃を加える。三メートルはありそうな巨体はのたうち、慌てて水場から離れようとする。


 すかさず彼女は水面から飛び出し、一度殴った箇所へ繰り返して何度も何度も鉄パイプを叩きつける。怪物の白地にペパーミントグリーンのまだら模様の肌は裂け、赤黒い血を噴き出す。苦しみ暴れても少女は躊躇なく攻撃を続けた。怪物の胴体は両断される。夥しい量の体液を噴き出してもなお怪物は生き続けており、苦しみに身体をくねらせる。半分に押し切られ攻撃力も生命力も大いに下がった相手に少女はザクザクと靴音を鳴らしながら近付く。首を切り落とそうとしているようだった。


 ジャバラの様な胴体と違って凸凹が無くつるりとして、山椒魚サンショウウオウシガエルを彷彿とさせる上下に分かれた口と、天辺テッペンに大きな切れ目(というか割れ目)を持った頭の付け根を狙い、鉄パイプを大上段に振り上げる。


 すると突如その付け根から両生類に似た先が丸い四本の指と水かきを持った長い腕が飛び出し、彼女を弾き飛ばした。


 皮膚を突き破って片側からも同様の腕が飛び出し、驚いたことに腕(というか脚)が生えた頭だけが胴を引きちぎり始めた。何本もの赤黒い管を引き剥がし、脈を打つ黄色い袋状の器官だけを繋げたまま残して逃走を開始した。


 速度は決して速くは無いがそれでも並みの人間を引き離すには十分な速さだ。だが少女は何食わぬ顔で追いつき並走する。


 暫く走ったものの距離は開かず、逃亡は不可能と判断した怪物が反転して脚部で鞭の様にしなる強力な一撃を放つ。…が、タッチの差で少女が身を反らして回避した。すると図ったが如く怪物は思い切り口を開き、水色のガスを放射した。


 フフフフ。アハハハハハハ。


 怪物は彼女が怯むとじりじりと近付きながら幼い子供の笑い声を上げて噴射するガスの量を増やす。先程逃走時に残した黄色い臓器はバクバクと脈動し、ガスを作り送り続ける。ガスの所為で完全に少女の姿が見えなくなったが、防戦一方なのは察せるだろう。怪物は留めの一撃と言わんばかりにもう一度蹴りを放った。


 その一撃に手応えは無く、ガスの中から飛び出した彼女が鉄パイプを振るい、右脚を切断した。叫ぶ怪物は左脚を振り回して少女を近づけまいとするが、易々と懐に飛び込んだ彼女はそれも切り落とした。


 少女は溜息を吐きながらガスすら吐き出せなくなり痙攣する怪物の上顎と下顎に鉄パイプを突き刺して貫き通し、頭頂部によじ登ると大型のナイフを取り出して逆手に持ち、縦に走る切れ目を突き刺そうとした。


 その時、切れ目を突き破って、少女と同じ青白い肌の女の上半身が飛び出し、少女の腕を掴み、怯えた表情で首をゆっくりと横に振った。


 赤や青、黄色のコードが身体に突き刺さった女を見た彼女は目を瞑って俯く。そして両腕を下した。涙を流しながら幼い少女はその身体に抱きつく。


 彼女はそれを確認して目を開け、握り締めていたナイフで女を突き刺した。抱きしめられたまま藻掻くその身体を強く抱いて、場所を変えて何度も突き刺し、最後に頭を掴んでぐるりと回し頸をへし折った。そしてその躯を放す。


 仰向けになった死体を暫く見つめた後、ナイフを入れて胸の辺りの皮と肉を削ぎ落としていく。そして肋骨が見えると腰のベルトに付けたポーチから金槌とノミを取り出して、それらを用いて肋骨を除去し、心の臓を取り出した。


 彼女はゆっくりそれを口に付け、一口かじると不快そうな表情でそれを投げ捨てた。そして自身の顔の左側を撫でる。欠損していた部分は元通りになった。


 そのまま少女は大きな死体から飛び降りると赤黒い靴底の跡を残して真っ白い砂地を歩いて行った。


 そういう夢を見た。

ホントなんだったんだろこれ

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