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花火

「いやぁ。ついてなかったねぇ」

友人がそのように言いながら、開け放った窓から月夜を眺める。ここ、一階の居間から見える庭の草は、部屋の灯りと月の明かりをきらきらと反射していた。

「しょうがないでしょう?雨降ってたんだから」

今は晴れてはいるが、先ほどまでは雨が降っていた。そして、それにより今日予定していた夏祭りが中止になってしまったのだ。

今日の夏祭りは浴衣を着て二人デートと洒落こみたかったのだが、叶わなかった。

「まあ、二人でだべるのもいいじゃん」

彼女はそう言うも、私は何となく気分がのらなかった。

私がそんな態度だから、部屋には居心地の悪い沈黙が流れる。

「そうだなぁ……」

彼女がこちらを向き、含みのある顔をする。

「一つだけ、夏祭りしよっか」

どういうことなのだろう。私は目でその疑問を伝える。

すると彼女は、私が持ってきた鞄を開けてごらんと私に言った。言われた通りに見てみれば、そこには手持ち花火があった。

「小さい花火。どう?」

彼女はしたり顔で庭に立っていた。手には蝋燭とライター。

「勿論!」

彼女の笑顔と花火の光も混じった庭の光景は、大層美しかった。

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