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水の色は何色か

水の中を空気がくぐる音が響き、青く揺らめく光が私と隣の彼女の距離感を曖昧なものにする水族館。様々な形をとる魚が悠々と泳ぐ姿は、透き通った水を横から眺めていると空を飛んでいるようにも錯覚する。

儘ならぬ恋をする私から見れば、彼らは随分と自由に見える。しかしそれは水槽の中だけに許された物なのだ。

目を輝かせ、純粋に水槽を見る、隣にいるのに遠くに見える彼女。

私と彼女との関係は、高校という水槽の中だから成り立ちえるものなのだろうか。

手を伸ばし、彼女の手を取る。意外にも彼女との距離は近かった。

「どうしたの?」

私を見て首を傾げる彼女。私は、どうしても大洋を彼女と共に歩みたいと思った。

「私、私ね」

後悔はきっとしないんだろうな。

「貴女のことが好き」

やけに鮮明な彼女の瞳に吸い込まれる気がした。

「友達としてじゃない。思い人として貴女のことが好き」

水族館は静かで。

「ありがとう。答え、考えておくね」

彼女のその言葉は、熱を感じさせないもので。さめた目で水槽に向き直る彼女は、私が見たことのない表情だった。

失敗だったかな、とは思った。

でも、手は繋いだままだった。

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