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まだ見ぬ美しいものへ
大きな大きな戦争が、二つの国の間の国境に長く分厚い壁を築かせた。しかし、壁があっても戦争は続いた。
ある日、そんな壁に小さな穴があることに、それぞれの国の少女が気が付いた。
何度かそこに足を運ぶうち、彼女たちは出会った。
二つの国は言葉が同じだったので、二人は何度か会ううちに友人同士になっていた。
もしこのことがバレたらスパイとして逮捕されるだろうが、二人は良くも悪くも子供だったのだ。
二人は多くのことを話した。戦争が激化する中、数少ない楽しみだった。
「壁の向こうの食べ物、読み物、景色。私も見てみたい」
それがお互いの偽らざる気持ちだった。
やがて、二人がいる地域にも空襲が始まった。二人は疎開することになった。
もう会えない。親友となった二人の子供には辛い出来事であった。
そんな中、片方が思い立った。二人はあることをした。
二つ、紙飛行機を作った。二人はそれに愛用の髪留め、リボンをくっ付けた。
果たしてその飛行機は国境を飛び越えた。
「戦争が終わったら、絶対探しに行くからね」
二人は約束をした。
これを返し合おうと。
いつになるかわからないけれど。




