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歓声と邪心

雲一つない青空の下、見える範囲はすべてが青々とした草原が広がり、時たま灌木が日陰を作っている以外には、すべてが太陽に照らされていた。

そんな雄大な地には、一本の道が一直線に伸びていて。そこを一台のバイクの前後に二人の女性が走っていた。

自然の音しかない地を、エンジン音と女性達の声が過ぎ去っていく。

「気持ちいいねぇ!」

前の女性がエンジン音と風切り音に負けぬように叫ぶ。

「うん。とっても!」

後ろの女性は、前の女性に体を密着させて、大声を出す。

「うえ!」

通常より密着された女性はそんな素っ頓狂な声を出した。しかし、それでもハンドルはしっかりと握っていた。

「どうしたの!?」

タイヤが道を切る音は安定していて、運転手の女性は何でもないと言い返す。

(胸が、大きい!いやいや、平常心平常心)

彼女が妙な声を出したのは、後ろの女性が体温を感じられるほどに密着し、その大きな胸と、それに付随して今夜の宿のコトを意識したからである。

「ああ!楽しい!」

片手を広げ、風を掴もうとする後ろの女性はそんなことはつゆ知らず。

美しい景色を、邪な心と楽し気な声が進んでいく。

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