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休憩はなし
セックスは喉が渇く。特に夏場にクーラーも付けずに情事に耽っていると、熱中症で倒れてしまう。昔私達はやらかしてしまい、それ以後は水分補給には結構気を付けていた。
ふぅと息をつき、ベッドサイドテーブルに置いているスポーツドリンクとコップに手を伸ばす。
「ちょっと休憩しましょう」
セックスとは運動であり会話である。パートナーの分の飲み物もちゃんと用意する。
「はぁ。ちょっと顎がつかれた」
そう言いながら彼女が舌を出す。
「がっつき過ぎなのよ」
まあ、彼女は上手なので何とか頑張ってほしい。
彼女にコップを渡せば、なぜかニヤニヤしていた。
「君はねちっこすぎるけどねぇ」
私の指技のことを言っているらしい。
「あら、そう。そういうの好きなくせに」
「うん。大好き」
臆面も無く言う彼女のことを少し見習おうと思った。
「私のことは好き?」
「ええ、とっても」
好きと言ったのに、彼女はなぜか不満気だ。
ここで場に奇妙な沈黙が訪れたが、やがて
「ぷくぅ」
と口で言いながら彼女が頬を膨らませる。それを見て、合点がいった。
「好きよ。愛してる」
それでよし、と彼女が抱き着いてきた。




