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地方特有の閑散とした駅のホームに私と友人は立っていた。私は、腰の位置ほどまであるキャリーケースに軽く腰掛けながら、彼女と会話をしていた。

「身体には気をつけてね」

何度もそんなことを言われていた私は辟易としてしまう。

「わかってるって。そう何度も言わないでよ」

別れの会話をしていれば、ワンマン電車がホームに入り込んできた。

私は、電車に乗り込んで振り返る。

「それじゃ、またね」

私がそう言えば、彼女は何かを言いたげに口を開いたり閉じたりする。そして、俯いたりとそわそわし始める。

どうしたの、という私の言葉は駅のベルでかき消される。それに鬱陶しいと思う間もなく、ドアが閉まっていく。

完全に閉まってから、彼女は何事かを言い始める。だが、分厚い扉に阻まれそれは聞こえない。

耳に手を当てて聞こえないという振りをすれば、彼女がチラと自分の掌を見て、その手を振り始める。

後ろに流れる彼女が振る掌には、

『好きって言うこと』

と書かれていた。

私は、すぐに後ろへ走りながら叫んだ。

「直接言えよ!意気地なし!」

車掌のいない最後尾で、彼女が見えなくなるまで、叫んだ。

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