61/101
拝啓
拝啓
鬱々と雨が続き、胸のすくような青い空が恋しくなるこの頃。色々なことが落ち着いてきたために、慣れぬ筆をとった次第です。
貴女が私の元から去ってしばらくが経ちました。貴女といつも立っていた台所はとても広く感じられ、貴女と共にしていたベッドは心なしか冷たいように感じます。
何か心躍ることがあっても、貴女と共有することができないのはとてもつらいものがあります。そのため、いつか貴女とあった時、色々なことを話せるように最近日記をつけ始めました。
女同士で、そして短い間でしたが、貴女と同じ時間を共有できたことはとても幸福なことでした。私は、今でも貴女のことを愛しています。
最期に、今の私は健康で、少し寂しくはありますが気持ちの折り合いはついています。安心してください。
貴女とまた会えること信じて、この手紙の結びとします。
敬具
追伸
もしかしたら、その時はそう遠くないかもしれません。
私はその手紙を宛名の無い封筒に詰めて引き出しにしまう。
そして、窓の外の晴れを見せることのない空を、日が暮れるまで眺めていた。




