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目と目が合う瞬間

彼女と、私が、お互いをじいっと見る。彼女のそれは、見つめるというより、睨みつけると言った方が正しいような少し強い眼光。

私はどうしたの、と声を上げようとしてやめる。

男にとって女心が難しいように、女にとっても女心は難しい。特に長い時間を共有するような相手であれば、なおさらだ。私は頭をフル回転させ始め、その間も彼女と目を合せ続ける。

とりあえず、彼女の頭に手を伸ばして撫でてみる。

撫でる度に彼女の顔がほころび始める。が、

「違う!」

目に力を入れてまた睨まれる。どうやら、構えという意味ではなかったらしい。

その間も頭を回転させ続け、私はとある可能性に行きつく。

頭から離れた手を、頬を経由して彼女の頤に持って行く。そして、キスをしようと首を伸ばし始めたところで、

「ちーがーうー!」

手を払いのけられてしまった。そして彼女が軽く怒鳴りつけてくる。

「分からないの?」

分かっていますとも、とは言えない。

私は自身の灰色の頭脳を更に回転させるが、どうやらタイムアップらしい。

「プリン、食べたでしょ!」

ごまかしきれなかったか。

私は甘んじて叱られることにした。

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