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ピアス
「ねえ、私のピアス知らない?」
恋人の家で、一夜過ごした朝、私は昨日つけていた自分のピアスが無くなっていることに気が付いた。化粧台に置いていたはずなのに、なぜか片方だけが無くなっていたのだ。
「聞いてるー?」
鏡越しに彼女の方を見るが、彼女は彼女で何かしているらしかった。引き出しの中も確認し、下に落ちていないかも確認したところで顔を上げれば、
「はいどーん」
彼女の笑顔が鏡に映ったかと思えば、抱き着かれる。
「ピアス、ないんでしょ?」
鏡越しに、彼女と会話をする。
「そうなのよ」
「今ある方つけてごらんよ、きっと見つかるよ」
彼女が後ろから私に頬ずりをする。それとは逆の耳にピアスをつける。すると彼女が顔を離す。
「じゃーん」
隠れていた耳に、もう片方のピアスがつけられていた。
「お揃い!」
ニコニコと私に笑いかける彼女に、少し呆れてしまう。
「何やってるのよ」
「今日からしばらく会えないでしょ?だからだよ」
彼女が、ピアスのない耳にキスをする。
「まったく、もう」
自然と顔がほころんでしまう。




