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光
地球温暖化が叫ばれる昨今、どれだけ熱くなっても、学校では冷房を軽々しくいれることはできず。学生の専らの耐暑法は冷たい飲み物を飲むことくらいしかない。それは今日の、窓から日が差し込む昼下がりでも同じだった。
私は、後ろの席の親友と冷たい瓶の炭酸水を飲んでいた。
「暑いね」
「もうその言葉聞きたくない」
もはや、その言葉を聞くだけで気温が一度上がったようにさえ感じる。
楽しくお喋りする気力もなく、椅子を傾けて遊ぶ私に、親友が瓶についた水滴で一人遊びを始める。
蝉の声が遠くに聞こえる中、彼女の白魚のような指が、水滴を集め始める。彼女は今度ピアノコンクールに出るらしいことを、私は思い出していた
「なんて書いたでしょう」
机の上を見ても、水滴で書かれた文字は読めない
「読めない」
「正解は、暑いでした」
「やめてくれぇ」
ホントにやめてほしい。
話はすぐ途切れ、彼女がまた何かを書き始める。私は、それを椅子を傾けて眺める。
「読める?」
薄い水の膜で描かれたそれは、椅子が傾いたことによって、光る。
「んー・・・読めないなぁ」
「読めないかー」
熱い昼下がりだった。




