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異世界
投降が滞っていて申し訳ない。
学生というのは、世界が、家と学校と通学路のだけのように思っているフシがある。少なくともかつての私はそうで、夜の繁華街はまさに異世界だった。しかし、大学に入り、会社に入れば、そんな感覚が無くなっていくのを感じた。
これが大人になるということなのかと、街を歩いていてよくセンチメンタルな気分になったものだ。
そんな折、私は彼女と出会った。まさに異世界に迷いこんできた彼女と。
初めは軽い気持ちで彼女とたまにつるんでいたのだが、やはり、酔うのだ。この世界で自分は特別なのだ、と。
果たして彼女は、私に恋をしてしまった。
今となっては「恋に恋した」のか「本気」だったのかは分からない。
彼女は言った。
――私と付き合ってください
私は”大人”として
――ダメよ
断った。
だが、彼女は少なくとも諦めが悪く、かつ大人というものに絶望していなかったし、果てなく純粋だった。
――諦めませんから!
彼女は笑顔でそう言った。
「どうしてこうなったのかなぁ」
紆余曲折あったものの、彼女は今、私と共に立っている。
彼女といく歩きなれた道は、いつも違う景色を、私に見せてくれる。




