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リモコン
『速報です。○○市にて連続殺人事件が――』
テレビに映るニュースをソファに座りながら見ていた。見慣れたキャスターが少し渋い顔で原稿を読み上げているものだ。ドラマの途中に、差し込まれたものでもある。少しイラっとするものの、家から近い場所なので耳を傾ける。
『犯人の特徴は背が170cm前――」
瞬間、教育番組にチャンネルが切り替わる
「いやぁ怖い怖い」
今日は家には一人だったはず、急いで声のした方へと振り返る。そこには背の高い女性、私の友人が立っていた
「どうやって家に――」
「窓、空いてた」
言葉を遮られ、指を向けられた方を立って見てみれば、確かに窓が開いていた
「だからって」
振り返りながら、入るな、と言おうとしたその時。いつの間にか目の前に立っていた友人に、テレビのリモコンで胸を持ち上げられる
「不用心だぞぉ、ほれほれ」
「やめなさい!」
手を振り上げたら、さっと頭を両手で庇ってコミカルに逃げ出していく。
それを見送って、元の局に戻して見てみればドラマが再開していた。
「アイスがないぞぉ」
「漁るな!」
彼女がいたら退屈はしないが、疲れてしまう




