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聞こえない
朝起きると、年子の妹が私に抱き着いていた。
殆ど双子のように育った私達だが、根本的な部分で大きな差異がある。身長は私の方が高いし、胸は妹の方がはるかに大きい、他にも色々。
「おはよう」
「おはよ」
発した私の声はひどく掠れており、それに応える妹の声は明瞭だ。私は体が弱く、そのせいで昔喉がつぶれてしまったのだ。これがきっと一番の差異。
そして、病弱でよく床に伏せる私が心配なのだろう。妹はいつも私の胸に耳を当てる。
「今日も生きてる」
「生きてるよ」
「でも、喉の調子悪い?」
自分ではわからないが、私の呼吸と心臓の音を毎日聞いてる妹が言うのだ、きっとそうなのだろう。
二度寝は気持ちいいが、ずっとこうしてはいられない。起きなければ学校に遅刻する。ただでさえ出席日数が少ないのだ、行ける日は行かなければならない。
「そろそろどいて」
「やだ」
本当に少しだけ強く抱きしめられる。
こうなると、満足するまで妹は私の鼓動を聞き続ける。
私は、妹が満足するまで頭を撫で続ける。




