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雨降る

小高い丘の階段を上った先のお社で、私は一人仰ぎ見る。雲一つない青い空。

風に乗って花香り、頬に水を感じれば、たちまち雨音身を包む。

けれども空は、透き通る青。

「傘も差さずにどうされましたか、お嬢さん」

振り向き見れば、麗しき美女。白き和服に身を包み、和傘を肩にかけていた。

「あなたに会いに来たのだけれど」

彼女の傘に潜り込み、雨打つ音を二人聞く。

短く長い静寂は、彼女がいつも幕を引く。

「不用心だよ、お嬢さん」

唇に指をあてられて。

妖しく微笑む想い人。

「奪ってくれてもかまいませんよ」

――唇だけにとどまらず

言葉の外に、意味を乗せ、一つ笑み浮かべれば、

大きな風がひとすさび。

瞬き一つ、暗転一瞬。彼女はそこにはもういない。体も髪も、濡れてはいない。

「小胆な方」

嫁入りはまだまだ遠そうだ。

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