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初めての農作業

「ハイド、クルル。

このリストの苗や種を、近くのレキド村かナヤナヤ町辺りで買って来てくれないか?

俺も調べて置くが。

出来れば育て方も少し聞いて来て欲しい。」

「え?シャア様が育てるので?」

「うん、皆にも手伝ってもらうけど、流石にこんな辺境じゃ贅沢は出来ないし。

畑や非常食とか用意しないとだろ?

あと流石に殺風景すぎだよここ。

派手にしろとは言わないが、少しは癒しとか侘び寂びも必要だ。」

「侘び寂び?」

クルルの側に居たメルルが首を傾げる。

いかん、日本の風流はこいつらには理解不能ワードだった。

「わかりましたわ、確かに王都から来た殿下から見たら余に殺風景ですものね。」

「成る程、では男手と馬車をお借りして行って参ります。」

うん、ハイドとクルルはスルーしやがった。

まあイイや。

とりあえず、余にも新居が殺風景なので。

家の周辺の堀や川、城壁の側に花や木の実の成る物を植える事にした。

あれです。

季節の花見とか、紅葉とか果物狩りがしたかったんだよ。

あと、天然の天災対策も兼ねてかな。

自然栽培も良いんだが、森林魔法が使えれば、苗も種もあっという間に育つし。

一度木が育てば、後は自然栽培に移行するのがこの辺りの農作業のコツだ。

一応王族教育の一環で、全ての職業の初期作業は習って居たりする。

民の仕事を知らなくば、民の苦労も分からないし。

禁異行為も分からないから、細やかな対策も出来なく成る。

民衆を知り貴族王族も知る。

それが初代王からの伝統なのだそうだ。

もしかしたら、初代王は転生者だったのかもなぁ。

何でも、この世界の主神パニマ様は地球の神の親友が居るとかで。

地球人、特に日本人転生者が時々居るんだそうな。

因みに俺も、前世の記憶覚醒したら、こっそりパニマ様の加護持ちとなった。

転生しただけだと加護は発生し無いのか?

その辺りも俺には分からん。

今の所必要に迫られないし。

誰にも聞かれていないから、誰にも言ってないけどな。

まぁ、基礎能力底上げ以外の効果は、未知数なので。

専用スキルはそのうち判明するんだろな。

と、放置プレイ。

ともかく、ハイド達が出掛けて居る間に、下準備とかして置く。

まあ、魔法ですぐに終わるんだけどな。

ちなみに、キリヤは護衛として念の為残った。

「シャア様変な魔法の使い方ですね?

いつそんな魔法覚えたんですか?」

乳兄弟のキリヤが、他意もなさそうな感じで、何処か不思議そうにこちらを眺めて来る。

そうだな、土木系の魔法でなく。

どう見ても戦闘用の土魔法をへんてこりんに捻じ曲げて居るからな。

「最近勘が冴えてるんだか分からんが、変なオリジナル魔法思い浮かぶんだよ。

便利だろ?」

「まぁ確かに少ない魔力で、結構効率良いですけど。」

やはり腑に落ちない感じらしい。

「なあキリヤ、笑うなよ?

俺様はどうも前世の記憶ってのが有るらしくてさ。

今までと少し違った思考パターンになったんだよ。」

「え?前世?

それ神の加護持ちとかに有るって言う…。

そんな都市伝説な兆候、全然今まで無かったですよね?」

ぽかーんとした後、少し青ざめ捲し立ててくる。

神の加護持ちは基本は神殿預りになり、国を上げて保護対象となるのだ。

この国は事によったら、最悪神に呪われてしまいかね無いと怯えた。

実際は加護持ち覚醒が遅かったのと、そこまでパニマは加護持ち優遇でも無いのでセーフだったのだが、彼らは知ら無い。

「アレだ、王族から廃嫡された時に、どうもあのトキの馬鹿女から受けた魅了術が解けたらしくてさ。

色々ショックと重なって、一気に覚醒したらしい。

それまでは、前世どころか俺の記憶もあんにゃろのせいで、トキに会ってからはかなり曖昧なんだよ。」

「成る程…暫く私は内密にして置きます。

今側に居る者達も、そのうち貴方様の異変に気付くでしょうが。

その時はご自分でお話して下さい。

それから、シャア様も慎重に行動して下さいね。」

「ん、心配掛けてすまんな。」

流石有能イケメン側近キリヤ。

出来る男は違うな。

つーか、何でこいつら今だおれを様付け呼び何だろうな。

もう今は庶民だし、呼び捨てで良いって言ったんだけど、まっいっか。


途中で暇になったので、キリヤがケイトと食事の準備に戻ったタイミングで。

館の城壁周りに、土木系の魔法で畑と庭付きの家に、井戸と上下水道と道を作って見た。

有り余った魔力で創り上げたそれ等は、凄い速度で完成した。

土に砕いた魔物除けの魔石も練り込んだから、百年位は魔物除けの魔石も要らないし。

魔除けの魔石を置く場所も、ちゃーんと作ってあったりする。

何処か日本の古民家風の屋根付きになって居る。

ぱっと見木造建築風だが、煉瓦並みに硬い。

どれも二階建てで数部屋あり、小窓とかは後でガラス枠か木枠を居れる形にして有るが。

今の所扉は俺が認証した者しか入れなくしてる。

キッチン風呂場トイレ、棚や机テーブルベットなども適当に作ってみた。

そんなのを、キリヤが戻ってくるまでの三十分位で五軒作成。

どうやら魔力は涸渇し無い量底上げされたようだ。

まだまだイケる感じだしな。

「な、な、何やってんですかー!」

戻って来たキリヤの絶叫が、辺りにこだました。

うむ、お怒りか?

プルプルしてらっしゃる。

早速調子こいたとおもったのかな?

ハハ、サーセン。

「この辺りの館の周りの森も俺様の所有地なのだよ。

だから実験的に、居住区作って見た。

需要有るかどうかは分からんし、専門じゃねえから出来栄えどうかな?」

キラキラしながらキリヤを見上げる。

背がデカイんだよこいつ、180余裕で超えてんじゃね?

俺はまだ160だから、ちっせえんだよ。

クソが!悪かったな!

実は俺様まだ15歳なので、まだ成長すると思いたい。

するとイイなぁ。

ともかく、見上げる姿は、女子だったら俺様あざといな!

はぁー、と溜息を吐いてキリヤが肩の力を抜く。

そして前髪をかき上げて、優しく微笑んだ。

「少し風変わりな建物の形ですが。

初めて作成した物とは思え無い程、とても素晴らしい出来栄えだと思われます。」

なんだこのイケメン、女子なら惚れてたろ!

でも男に甘く囁くな、キモい。

などとアホな事を脳内で思いつつ。

「そっか、サンキューな。」

にぱっと笑って見た。

すると、少し戸惑った顔になる。

「本当に貴方様は変わられたのですね…。

城に居た頃に覚醒なさって居たら、この様な辺境に送られる事も無かったでしょうに、不憫な方だ。」

小さな言葉は、よく聞こえなかった。

まぁ、こう言う時は、大体同情的な何かだろうとスルーして置く。

キリヤを作った家の中まで見せた後、食堂へと向かった。

食堂では、クルルが今日居ないので、乳兄妹ケイトとメイド娘メルルが支度してくれて居た。

そのうち、俺も台所に立って。

なんちゃって日本料理に挑戦してみよう。

カレーとかハンバーグとかうどんとかラーメンとかホットケーキ辺りなら作れるかなぁ?

日本食の材料は、パニマ様と転生者な先代達が開発したらしく。

実はそれっぽいものが各地に点在して居たりする。

王宮でたまに有る社交パーティ何かで、紛れて遭遇する事もあったが。

あの当時は、取り敢えず食べた。

今ならアレがどんだけ貴重な再現物なのか分かる。

だって異世界だしな。

そんなささやかな野望を胸に秘め。

俺は昼飯を食べ始めた。

結局、午後も家作りをして。

城壁の側に10軒、川沿いに10軒。

トータル20軒の住宅を完成させた。

そのままでも住めなくは無いが、床や内装や窓などは、別で用意して来なければ居心地は悪いだろう。

取り敢えず、数日かけて内装用の木材を作ったり。

模様とか細工何かも施して、見栄えと住み心地を上げた。

ガラス枠窓や布団やカーテンなどは、一気に揃えると高額なので。

簡易な物を少しづつ用意して補填し住める形にして行った。

因みに、ここは住宅として売らず。

災害や魔物の大量発生(スタンピード)で村などか襲われた場合の避難所代わりにする事にして。

住める期間は一年か二年に限定。

その間に被災地域を国の方で復興させ。

その後の帰還させる為、永住はさせ無い。

まぁ、永住するには流石にこの地域は魔物が多すぎて危険だった。

我が家のような砦や結界内以外だと、本来人が住むのには向か無い地域だと子供でも分かるだろう。

取り敢えず折角作ったので、観察役の裏の護衛ルートで、父上に申請して置いた。

ついでに俺の加護の話もして置きました。

まあ、いきなりこんな物を今までの俺が作るのは、どう考えてもおかしいしな。

後日父上からの認可も正式に降りた。

父上は、俺の加護持ちの事は内密にしてくれた様だ。

避難所は、ついて来た優秀な配下達が、シャアの為に行った事と貴族達に思考をズラして思わせた模様。

精神支配魔法とか無くても、カリスマ凄くてそう言うのマジ得意だよな、父上。

因みに、庶民落ちした俺の名前は、本来ただのシャアだけなのだが。

加護持ちな事から、気を使ってくれた父上が気を回して、シャア・レデュウとなり。

苗字は母方のレデュウ男爵姓を名乗る事を許された。

まぁ、名前だけ貴族風。

でも貴族では無いが、肩書きが避難所専用の名主見たいな扱いだな。

下の避難所は国営だから、余り大きくはし無い。

手広くやって、俺が管理するのが面倒なのも有る。

つーか、そんな砦の主人なので。

近くの村や町の住民からは。

お山砦のシャア様、と呼ばれ始めて居たのだが、俺がその事を知ったのは数年後だったりする。


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