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【閑話】とある冒険者の心の声

膝程まで伸びた髪がサラサラと風に揺れる。

光を纏うと、銀を通り越したプラチナ色に輝いて見える。

伸びた前髪が目を隠し、それを鬱陶しそうに搔き上げる。

その仕草に見惚れてしまうのも仕方ないだろう。

伏せた目を上げると、意思の強そうな瞳が煌めく。

一挙一動が輝きを纏う幻想的な出で立ちで、その魅惑的な視線がこちらに零れ落ちる。

その視界の範囲に入った、唯それだけなのに息を飲んで心を鷲掴みにされるのを感じる。

それほどの美貌の人が其処に居た。

本人は無自覚で、それはいつも通り無邪気にこちらをニカッと微笑むのだ。

だが、数日前の彼とは同一人物とは思えない変貌を遂げている。

お陰で距離感が掴めない。

彼が王位継承権喪失してから、良く冒険者ギルドでやり取りをするようになった。

傍若無人で我儘と言う噂と違い、とても気さくで。

庶民への差別意識も薄く、慣れた頃には何となく。

まぁ…その、良いなぁこの人って思っては居た。

彼の周囲の女性方は美人や美少女が多い。

が、色恋的な人より、どちらかと言うと可愛い弟分を構っている感じだった。

お陰で、色々心配は薄かった。

相手は元王族で難易度高い。

焦ってガツガツ動くのも性分では無い。

なので時間をかけ仲良くなれたら良いなあ、とか思っていたし行動も緩やかにして居た。

でも、王族の成長期が一般の獣人とは異る事を失念して居たの。

成長期に一般の獣人はゆったり成長するし、獣形態に変身するのは稀だけれど。

王族は一気に成長期を迎え必ず獣形態になるのだと忘れていたの。

小さく溜息をつく。

前みたいに気軽な関係は難しいだろうか?

見た目が変わっただけだ、と脳筋連中は言って居た。

そんなに単純な思考で居られるのは少し羨ましい。

これからライバルが増えてしまうのは確実だろう。

…妾でもいいから選んでくれ無いかなぁ。

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