俺はもふもふのフレンズになったのか?
「う〜がぉ!」
なんだかきゃわわなフレンズになれそうな声を上げる。
でも、吠えた声は低音足りてる。
そう言えば、シャア役の声優さんはショタボイスも低音も出来る仕事選ばない系なイケメンボイスな方だったな、と遠い目になる。
続編で声変わりが有ったのだろうか?
続編してない俺はわかんねぇけども。
兄上が来てからそろそろ三ヶ月が経過した。
その間に色々あったのだ。
あった…のだ…。
妖精の鈴の音を追いかけて、まずいざって時の対魔神対策で、ロボを腕輪のアイテムボックス的な空間収納機能で持ち歩いて迷いの森に向かった。
迷いの森中央に有る泉に森の精霊シルフの眷属が、魔族によって他の地域の色んな属性の精霊王達が各地に封じられたと言われ、彼らが揃わないとイグドラシル様と呼ばれる世界樹の化身の精霊帝様と、全精霊王女エスプリ様が消えてしまうとかなんとか言われ。
魔族や魔神への対抗手段を持つ2人が戦闘の結界の要になるので居ないと困る事になるらしい。
いきなり魔王を倒すにも手順と言うかフラグを踏まないと、魔王を倒せてもすぐ復活してしまうそうだ。
何だろうね、そういう所は実にゲーム的だった。
俺たちは各地に向かって、頑張って精霊王さん達を助けたさ。
火山迷宮の奥の火山の魔族によって焔牢獄に閉じ込められた水の精霊王女ヒュドール。
暴風の魔族にピラミッドダンジョン奥深くに封じられた大地の精霊王テラール。
氷の魔族によって水氷迷宮に閉じ込められた炎の精霊王イグニス。
闇の魔族によって光のささない地下迷宮に閉じ込められた光の精霊王リヒト。
水晶の魔族によって、影をかき消されるほどのプリズムダンジョンに閉じ込められた闇の精霊王女ダグネス。
重力使いの魔族にゴーレムダンジョンへ閉じ込められた風の精霊王女ビェーチェル。
全てを倒し精霊王さん達を助けた道中はまぁ割愛しま…え?説明しろって?
ぁぁ、うん時間が有ったらまたの機会に、な。
まぁなんやかんやでそんなゲーム的だった展開も終わって、イグドラシル様とエスプリ様の加護を貰った。
うん、その直後。
ボフン!
と俺に異変が起きた。
「がう?…ガォォォォォ。」
「きゃぁもふもふしたい!」
「シャア様…凄く…もふもふです。」
「な、なに?なんなの?」
「お?なんか声低くなってるぜ?」
「本当だ!変声期だ!」
なんと、俺は完全にわんわんおー…もとい、大きな銀狼の姿へと変わっていた。
獣人の王族が成人すると、一時的に人の姿では無く本来の獣の姿へと変わり。
数日で人の姿にも獣の姿へもさほど能力を使わずに、自在に変化出来るようになる。
尚、子供時代は親の能力のサポート無しでは元に戻れなくなる事も有るから、自力変化変身出来ません。
つまり…。
「シャア様ヤッタネ!
数日もふられ放題!」
仲間達の反応は、心配的な物が無かったんや…。
女性陣に色んな所をもふられ流石に色んな意味で困って居ても。
女性陣数人に取り押さえられた狼の状態だと怪我させるのも怖くて逃げられず。
喋れなくて困っていたら。
「念話使いなよ。」
とパルーニャに笑われた。
うぅ、俺だって焦ってたんだよ!
因みに、人の姿に戻ったら。
身長が185センチくらいに伸びてた。
これでもうチビって思われないゾ!
※獣人の姿に戻ったシャアは、見た目が一気にショタ美少年からイケメン美青年にシフトチェンジして、周囲の女性陣がこれまでのカワイイ弟相手のような愛玩的な対応を取れなくなるフラグを内包しているイベントだったと、まだ気付いてません。
精霊王さん達の加護のせいで成長早まった感じです。




