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僕の判断

「僕達は、ミレニアには帰らない。報告はしない。この状況は多分、彼らが作ったモノだ。故に、僕らはミレニアを信用しない。」


 それが、僕の出した結論だった。

 僕達は初めて、一つの町を捨てた。

 いや、僕は捨てようと言っているのだ。


「アスカ…。それは、貴方の信念に…。」


「フェリティア、わかっている。…しかし、これはもう魔王との戦争なんだ。信用出来ないモノは切り捨てる必要がある。」


 国が信用出来ないと判断したなら、僕はその国を捨てる。

 僕の助けられるモノは少ない。

 両手いっぱいに抱えられるものだけだ。

 魔王を前にすれば、僕は僕以外を守るコトはできないだろう。


 僕は茜ではない。

 忘れてはいけないコトを忘れていた。

 僕には全てを救うコトは出来やしないのに、茜の真似をしていた。


「アスカ、私はその判断を支持するわ。残念ながら、一度裏切ったモノは次いつ裏切るかわからない。」


「でも、アスカさん。貴方は世界を救いたいと言ったはずです。ならば…。」


 誰の意見もわかる。


「僕は忘れていたんだ。僕が超人で無いコトを。だから、ここから先は魔王を倒すコトを優先する。この考えに賛同できないなら、ついて来なくても構わない。」


「アスカ…。」


 僕は立ち上がる。

 ここから旅に出る用意はすでにできている。

 故に、僕は自分の荷物を持って歩みを進める。


「僕は、ここから一つ行った街、レティスを目指す。もしついて来てくれるなら、レティスで追い付いてくれ。」


 信用出来ない者は切り捨てるべきだ。

 これは仲間にも言える。

 ここでついて来れなくなるなら、自分だけの方が、ずっと安全だ。



 私達は、動けなかった。

 突然に彼は変わってしまった。

 魔族と戦ったコトで、何かを知ってしまったんだろう。

 それは凄く残酷だ。

 彼は勇者でないのだから。


 私は立ち上がる。

 彼と共に歩むと決めた。

 彼に全てを捧げたのだ。


「フェリティアさん、行くんですか?」


「私は、アスカについて行くと決めていました。彼は私の勇者で、大切な人ですから。イリス、貴方は貴方の好きにして下さい。」


 エリカもまた、立ち上がる。


「アスカは、正しい判断をしている。それに、イリスはアスカのモノなんでしょ?ならなんで、貴方は彼の元を離れるかを悩んでるの?」


 エリカの言うコトもわかるし、イリスの言うコトもわかる。


「イリス、貴方は貴方の正しいと思うコトをしなさい。戻るべきだと思うなら戻るべきです。それだけの力が貴方にはあるのですから。」


 私は彼が本物の勇者で無いコトを知っている。

 最初は疑ったが、何度も聞くうちに真実が聞こえた。

 私は、○○だから。

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