スモーキン・リリー
「ごめんね、もう待てないんだ」
空のペットボトル 握り締めて
行く当て所なく ただ歩く
「そうだよね、仕方ないよね」
まさかそんな事は ないと思っているけど
引き止めたほうが よかったのかな
引き止めて 欲しかったのかな
さようならも 言わず別れた
待つのには 慣れてるからって
君は豪語 してたけど
そんな君にも 耐えられないほど
僕は君を 待たせたのかい
洒落たつもりは 無いけれど
「きっと迎えに行くから待ってて」
暦の上では 春らしいですが
そんな暖かさは 遠い模様です
「どうした、そんな顔して」
咥えタバコで 煙に巻かれて
そう言うあんたも 暗い顔して
「見ての通りさ、フラれたんだよ」
誰でも良かった なんて思っちゃ無いけど
「丁度よかった、あたしもフラれた」
誘われるままに 連れ立って
抱き止める肩に 落ちる雫に
柄にも無い って吐き捨てて
然もありなん とは言って見るけど
辛い夜には 泣いたって良いって
重ねる肌に 灯るは焔
落ちる灰に 霞むは現
これが愛と 仰せなら
その幻にも 授けよう
傾け合った グラスの縁に
仄かに揺れる ましろの面影
呼吸するのと 同じらしいですが
たばこ臭いのは ちょい勘弁です
照れ隠しにも 程があるって
明日をも知れずに
今日もまた 今日もまた