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日常系

こたつ

作者: ぐるこーす

こたつと言えばみかん。

こたつに集まってみかん食べるって言うのも良いものです。


ほっこりできる様な作品にしたつもりです。

「ねぇねぇ、みかんないの?」


小説を読んでるとそれを取り上げて問うて来る妹。

一度手元から目を離し廊下に有っただろと答える。


「えー…、取ってきてよぉ。」


「そう言うのは言い出しっぺがいくもんだろ。」


そう答えたのだが横で取ってきてコールをして駄々をこねるしまつ。

しょうがないのでじゃんけんを提案。

勿論妹も乗っかって来た。


こたつを挟んでの一本勝負。


結果は俺の勝利。


「わ、私負けたんだから兄さん取って来てよぉ!」

なんともわからない無茶苦茶理論。

負けた人が取りいくべきだろ。


曰く、「今のじゃんけんは男気じゃんけんだから勝った人が行くの!」だとか。


男気溢れるらしい俺は寒い中廊下へ。

さっさっとこたつに戻ろう。


冷んやりしたフローリング。

家の中だというのに息が白い。


こたつに入ると遅いと妹に文句を言われたのでみかん没収の刑に処することに。


悲しそうな顔になったのでみかん解禁令発令。

ぱっと嬉しそうな顔になった。













暫く俺は読書、妹はみかんを食べるだけの簡単なお仕事に勤しむ。


「ただいまー」


弟が帰って来た。


「おかえり。寒かったろ?こたつ入りな。」


「ふぉはへり。」


まだお仕事中の妹が何か言っているが聞き取れない。

気づくと妹の前にはみかんの皮が散乱していた。


「ふー…ってあれ?! みかん全部食ったのねーちゃん?!」


20個近くあったみかんは妹と言う名のブラックホールに飲まれた。


「ふぁ、ふはふぁんへんふよ。」


日本語で大丈夫だよ、妹。

リスの様に頬袋を作って幸せそうな妹だった。


「ねーちゃん取ってこいよー。全部食ったのねーちゃんじゃん。」


「ほーへーひ…公平にじゃんけんでしょ。」


妹、お仕事完了。

お疲れ様です。

俺は栞を挟んで読んでいた小説をこたつの恥に置いた。

取ってこい、じゃんけんだの終わりない言い争いが行われている中へ一石を投じる。


「アミダで決めようぜ。」


「「そ れ だ !」」


2人の首がグルンと回りこちらを向く。

ここ最近で1番びびった。


3本縦線を引き横線を適当に引く。

縦線の先に○1つと×2つを書き、紙で隠して弟、妹の順に横線を書き込ませる。


「よし、○当たった奴みかんを取ってこい。良いな?」

各々から了解の返事。

では…。



結果。

妹選手の優勝です。

優勝者にはみかんを取りいく義務を贈呈です。


「可愛い妹が凍えてフルフル震えてるのに!良いの?!」


「早く戻って来いよ。」と弟。

俺も追い討ちをかける。

「早くみかん持って来てくれる偉い子には今度良いものあげるんだけどなぁ。」


妹が動いた。

それも風切り音がする位の勢いで。

弟も動いた。

それもおこたが吹き飛ぶ位の勢いで。

両者ほぼ互角の戦い。

折り返し(みかん箱)に入った!

さぁ目が離せない展開になって来た。

最終コーナー曲がった!

どうなるっ?!



ゴールっ!

…おぉっと!同着にみえるぞ?

勝負はビデオ判断になります…。


そうですね~…僅かに弟が勝ったかに見えますが…。


勝者は妹!

いやー、流石ですねー。


今のお気持ちを一言どうぞ!


「今度なんか奢ってね、兄さん!」


と言う訳で無事みかんを手に入れ帰ってきた2人だった。


何奢らせるつもりなんだろうか。










また小説を読むのを再開した俺とみかんを食べるお仕事を再開する妹とPS○でゲームをする弟でぬくぬくしていたら姉が帰って来た。


「おはへひー。」

リスさん?そろそろ日本語で話そうよ。

「おかえり。」


「おかー。」


「えりー。何々?私居ない間に兄弟愛育んじゃってんの?」


「そんな所かな。」


ふーんと言いながら姉もこたつに入って来る。

4人になると狭い。

だけどたまにはこんなのも良いな。

姉がこたつの上にビニール袋を置いた。

中身はカップのアイスクリームだった。


「ほら、お主ら好きなのを選べぃ!」


予想通り弟、妹は1つしかないチョコレート味を取り合っていた。

がるる!とか、きーきー!とか色んな獣の声を楽しめる。


「姉さんワザと1つしか買わなかったでしょ?」

そう聞きながら抹茶味を取る。

姉はニヤリとして「さあどうだか」と答えた。

因みに姉はカプチーノ味を取った。

残りは抹茶味だけだ。


どうやらチョコレート味は弟が勝ち取ったらしい。

自然界の縮図、弱肉強食がここにあった。


「兄さーん、姉さーん!弟がぁ!!」


「お、俺が勝ったんだから俺の!」


はぁ、全く…。

其処で1つ提案をする。

「半分抹茶味、半分チョコレート味にすれば2つも楽しめるぞ?」

姉も便乗して言う。

「そうだねー、そっちの方が沢山美味しいと思うよ?」

そう言って俺の抹茶を掠め取って1口。

んー、美味し!とか言っている。

俺にも1口寄越せ!










「ただいま~…ってあら? こたつで寝ちゃって全くこの子達は…。」

母親は少し困った顔をしたが4人の幸せそうな顔を見て微笑んだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] はい、すごく好きです、このような雰囲気。 こんな仲良しな兄弟だったらなぁ…と思い知らされました(笑) 個人的には「じゃんけん」ネタが組み込まれていて、そこにもほっこりしました。
[良い点] ところどころ笑える部分がありました。 [気になる点] 普通すぎます。少しは普通と違う部分がないとおもしろくないです。 [一言] 頑張って!
2011/11/29 23:40 退会済み
管理
[良い点] 「可愛い」の一言に尽きます。 [一言] 初めまして。感想書かせていただきます。 良いですねー、きょうだい仲良く、こたつでわいわい。ほっこりしましたよ。 アイスの取り合いの辺りでもう十二…
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