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最後まで読んでもらえると、幸いです。


 あるところに、神様と呼ばれる者がおりました。

 神様は、宇宙を創った創造主で、天界という空の雲高くに住んでいました。


 天界。

 ここは神や天使など人ならざる者が住む都。

 人より高貴な者たちが、地球やその他惑星を監視するために作られた空間。

 ここには我々が物質と呼ぶ物は存在していない。ただ殺伐とした風景が広がるいわば草原のようなところ。無であり無以外の何物でもないここは、ただ神々がちらほら見えるだけだった。家などという物はない。だって必要ないのだから。食べ物、ましてや店などという概念もない。だって無くたって生活に支障はきたさないのだから。

 何もないここは一種の神々しさを感じさせる。太陽の光を直に受けた空気の中の水蒸気は、照らされ神秘的な光を宿す。辺りに光が溢れ、あるはずのない『楽園』をも思い起こさせる幻想的な空間。


 そんな天界の片隅に、一人頬ずりして下界を眺める者がいた。純白の傷一つ無い衣を身に纏い、光輝くティアラを頭に乗せている彼は、見まごう事無く天界で身分が一番高い神様その人だった。宇宙の創始者の彼は、何故か憂いだようにある一つの惑星「地球」を眺めながら、誰にも聞こえないほどの声を小さく口を開いて呟く。

「あぁ、つまらぬ・・・・」

 彼は閑散という言葉に苦悩させられていた。暇で暇でしょうがない。ずっと節々の星を観察するのに飽きがくる。地球という星をつい最近創ったが、なんと面白みのない星か。ここまで無様で滑稽なものになるとは思わなかった。つまらな過ぎてもはや見ることすら苦痛を通り越して呆れとなる。

 そんな神様は、どうしたものかとかれこれ2000年もの間、同じポーズで考えに耽っていた。神に時間は無いに等しい。へたすれば彼は一億年同じ事をしていたかもしれないし、十億年同じことをしていたかもしれない。だがその憂鬱の時間に、静かに終焉が訪れる。

 彼は思いついたのだ。

 暇つぶしの遊びを。

 彼は口の端を少し持ち上げ、目を細める。顔には微笑が浮かんでいた。それは見るものを魅了させ、惑わせるような、そんな表情で。



 

 そうだ、暇つぶしに地球人で遊んでやるとしよう。

 何でもひとつ願い事をを叶えてやろう、

 しかし己の命と引き替えに、と―――――――


 

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