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トリップしてきた元賢者は推し活に忙しい〜魔法提供は我が最推しへの貢物也〜  作者: 櫛田こころ


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第34話 ゲーセン沼に

「ユディさま、がんばってくださいましな」

「がんばって……がんばっているんだ! マリアーノちゃんをゲットするのに!!」

「もう少し、右……では?」

「あ、旦那。やばい」

「ぁあ!?」



 操作を誤り、くたくたぬいぐるみのマリアーノちゃん……もとの場所へと落ちてしまった。これでもう何回目!!?


 クレーンゲームの基本操作とかをアツシに教わって、この台とやらを集中的に頑張っていたんだけど。初心者過ぎる僕には、正攻法(?)で頑張ってみても、穴に落ちる手前で振り出しとか!! 十回以上はこれ繰り返してる!! お金沢山持っていてよかった!!



「寄せる方向はいいけど、つかむ場所が生真面目過ぎね?」



 戻ってきたアツシの痛バの中には、たっぷりのぬいとかフィギュアたち……なんで、そんなにも!!? あ、でも僕より前から推し活してるから得意なのかな??



「つかむ場所かい?」

「真面目に真ん中を持ち上げてるばっかりだろ?」

「……それじゃダメとか?」

「こんなでかいのもだけど、重さでずり落ちるように移動させればいいんだって。ゲームのチュートリアルはよかったのに、こういうのは苦手なのか?」

「あら」

「あ、教え方ね」

「……なるほど」



 ただ持ち上げて、横へ移動するだけじゃ難しい。つかむ場所によって引っ張るように……ようにして、穴へと移動させていく。



(あ、言い方変だろうけど……魔物討伐の弱点狙うみたいとか?)



 そんなイメージが浮かぶと、狙う場所があっさり見つかってクレーンの鍵足を操作していけば。



「取れましたわ!!」

「おお、篤嗣の言った通り」

「コツさえ掴めば、ユディさん取り放題だったしな。最初ここで失敗覚えて正解」

「……取れた!!」



 くたくたぬいぐるみの大きさは、本物のマリアーノちゃんの上半身を包めちゃうくらい? さすがに大きいのとマリアーノちゃんが持っていると可愛いので即スマホの写真に収めました。彼に持っててもらうことにして、次はどれを選ぼうかと思ったら……また、アツシに呼び止められた?



「俺の部屋に置くわけじゃないけど。向こうの部屋って、ほかに誰かくんの?」

「……弟子たちは仕事で忙しいから、特には?」

「インテリア重視して、少しずつにしなよ。ここじゃ、小さくする魔法使えないし」

「あ、そうだね」



 ついつい、ここが人目の多い場所だというのを忘れそうになってしまっていたよ。こっちではアツシの部屋以外じゃ魔法を使えないから、ついうっかりしていた。とりあえず、第一目標のぬいぐるみは確保できたので、次もぬいぐるみにしようと決めた。これで向こうのベッドに置けば……クッション代わりにもなるとか考えるあたり、年齢もだけど中身もおじさんだから許して……。



「ユディさま? ぬいぐるみを同じものはこちらだと制限があるので、別のを選びましょう?」

「え?」



 識字変換されているので、説明の文字を読めば。マリアーノちゃんが言う通り、たしかに『おひとり様ひとつまで』と書いてあった。乱獲防止とは、なかなかに設備が厳重なのも頷ける。とはいえ、ほかのぬいぐるみにはマリアーノちゃんを模したものは少ないと思ったが。



「旦那、こっちにバッグとかにつけれるのあるよ」

「向こうにはフィギュアあったし、急ぐ必要ないからゆっくりしようぜ」

「うん! ありがと」



 ほかのふたりがすぐに探し当てるくらい、僕らのチーム(?)の連携は高いね!! けど、ぬいぐるみ以外のは吊り下げとか橋渡しとか……いろんな遊び方があって面白いな?



「……抱き枕があった」

「は?」



 フィギュアを取ろうか悩んでいたところで、アツシがなにか不穏な言葉みたいなのを口にしていたけど。奥の方に、鋏を合わせて糸を切るってゲームの景品が『マリアーノちゃんの抱き枕』だった。


 これにはマリアーノちゃんの許可がさすがに必要だと振り返れば……怖い笑顔に変わったので、さすがにやめておくことにした。ぬいぐるみまでがセーフラインだったようです。



次回はまた明日〜

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