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トリップしてきた元賢者は推し活に忙しい〜魔法提供は我が最推しへの貢物也〜  作者: 櫛田こころ


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第32話 推し活の前に

 ゲーセンとやらに行く前に。僕も僕で生活の改善とやらを整えようと思う。清潔面については、アツシに『カビ』や『ホコリ』の換気を丁寧に……って、嫌っていうくらい念押しされたからね?


 マリアーノちゃんに高いところの窓も含めて、窓をとかドアを開けるだけ開けてもらった。


 僕は僕で、久しぶりにこっちでの朝日を目にしたけど……なんだか、ここが『異質』に思えてきてしまうんだ。


 まだ部屋の中央にある召喚扉を使えば、いつだってアツシたちのいる異世界に行けてしまう。向こうがこっちにとってはそうなのに、推し活以外の楽しさを知ったらここの方が異世界なんだって。でも、それはどちら側にも同じだ。



「主さま、すべて開けましたわ」



 マリアーノちゃんが軽業を使って戻ってきてから……いよいよだと、僕は床に描いておいた魔法陣の上に乗る。詠唱破棄でもいいけど、今回は丁寧に『掃除』したいからね。



「ありがと。巻き込まれると大変だから、こっち来てくれる?」

「はい」



 マリアーノちゃんが陣の上に乗ったら、僕は手に持っていた小瓶の中身を陣の上に垂らしながら詠唱を始める。



『揺蕩う流れよ、我が代償を払いてこの影を溶かせ』

『凍てつく風よ、溶かして空に旋風を起こせ』

『我が口から出る吐息、すべて薫る花の息吹と思え』



 小瓶の中身がなくなるまで詠唱を続ければ、ふわっと塵やホコリが宙に浮き。溜まっていくにつれ、窓の外へとわぁわぁ出ていく。ただし、そのゴミとかを浄化しないと意味がないので魔法の上乗せもしていく。


 これくらいは、元賢者じゃなくてもそれなりの魔導師レベルなら詠唱破棄でも出来ちゃうけどね? 



「……ほこりっぽい匂いはしませんわ。換気は大丈夫だと思われます」

「よし! 次は……お風呂作ろう!!」

「泡風呂が出来る湯舟がほしいですわ」

「……僕もその方がいいと思う」


 致すかどうかはともかく、清潔面でも泡泡でボディソープの節約?になるのかな。城で借りたときはベタベタするとか思ってたけど。アツシのところで知った入浴剤の代わりと思えば!! マリアーノちゃんといっしょに入ることも考慮してそこは頑張ろう。


 もともろ風呂場はないから、あんまり使っていない荷物置き場でも広い部屋を二人で改造することにした。


 湯舟、というか大きな桶は大理石の欠片がなぜか大量に端に寄ってたので……魔法で加工して湯舟にしてみた。銭湯の温水プールの一部を参考にしたから、我なりにいい出来栄えになったと思う。


 シャンプーとかリンスは、王宮の人間でもないから……アツシの部屋に戻って、そのあと出かけるときに買う場所も教えてもらおう。スーパーとやらでもいいかもしれないけど、マリアーノちゃんの艶々さらさらの髪を維持させてあげたいから、そこは奮発します!! 半分は僕も使うしね?



「出来ましたわ! ああ、今晩が楽しみですわ~」



 マリアーノちゃんは片付け優先で頑張ってくれていたけど、陣の上で浄化したから全然ほこりっぽくもない。むしろ、可愛さと美しさが際立っている。……だけど、男の子で夜はちょっと野獣のように僕を喰らう狩人だ。


 僕も嫌じゃないし、むしろ甘美な時間をいただけるのだからお風呂くらい作るのは頑張るけどね!! 今すぐにお風呂も使いたいけど、感覚的にお昼を過ぎたらアツシが学校から戻ってくるし……ご飯は今日、外で食べるからあとできるのは服の選別。


 ナルディアがこっちに来れるか試しに、召喚扉を開けてもらえばすんなり入ってこれたよ。



「体格差もあるし。僕の服も少しは向こうのに合わせたい。……魔法で、変換してあげるよ」

「おぉ! 旦那にそんなことしてもらえるとは」

「自分のためもあるからね」

「わたくしのもお願いいたしますわ」

「それはもちろん」



 マリアーノちゃんは可愛いけど、機能性の高い服が好きみたいだから……などと、三人の要望を入れつつ、アツシが作ったぬい用の服なども使って『普段着』とやらを作り上げたのだった。


次回はまた明日〜

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