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トリップしてきた元賢者は推し活に忙しい〜魔法提供は我が最推しへの貢物也〜  作者: 櫛田こころ


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第31話 痛バ制作開始

 昨日の褥は、色々押されてしまったが……なかなかに良かった。良過ぎました。あれを毎晩はもう、元の生活には戻れないと約束出来てしまうくらい、至福の時間だった。


 まあ、それはそれで今は。



「んじゃ、痛バの作り方な?」



 アツシの大学が終わるまで、僕らは部屋でのんびりしたり、またねんどろいど版での撮影に勤しんでいたけど。例の『痛バ』とやらを作ろうにも道具が足りないとかで、アツシにお金は渡しておいた。


 こちらの感覚でも、そこそこ高額な材料費らしく。僕が貯めておいたお金が役に立ってよかったよ。あのお金は……弟子たちが定期的に転送してくるから、これからも増えるしね? アツシにもそこは伝達済みだ。


 で、肝心の痛バについてだけど。町で見かける『バック』の片側が透明なのに包まれている感じだった。色については、マリアーノちゃんのイメージが赤と黒だけど……僕は女の子じゃないから、黒で使い勝手がいいのをアツシにリクエストしました。アツシはナルディアのってことでキラキラした青いタイプ。


 ショルダーとやらより、コースターが多いので『バック』にしたみたい。たしかに、昨日の交換も含めて僕の手元には三十枚近くのマリアーノちゃんのコースターがあるからなあ。全部を収納できるには大きい方がいいみたい。



「昨日のコースターも大きめだし、A3くらいでいいと思ってさ」

「……まだ大きいのがあるの?」

「ガチ勢だとリュックサックとかでやる人もいるらしい。バックそのものもオーダーメイドとか」

「おお……すごいね、推し活」

「けど、推し活って呼び方。まだ最近とかなんだよな?」

「そうなの?」



 マリアーノちゃんたちを見ても、首を縦に振るだけだった。



「わたくしたちのようなキャラクターを『推す』……つまりは一定以上の好意を抱くのは昔から『推す』とは呼ばれていたそうですが。篤嗣様方の年齢からですわね? オタクだと呼ばれても特に目立たなくなったのは」

「そだな? 俺とマリアーノがクロニクルに導入された頃じゃね?」

「……アツシ、なんか目立ってたの?」

「今でこそ好青年風ですけど。昔は髪も伸ばされていましたし、コスプレも嗜んでいらしたそうですわ」

「ま、マリアーノ!? ユディさんの前でバラすなよ!!」

「でも、推し活の説明にもなりますわよ?」

「……そうだけど。あー、もう黒歴史はそこまで!! 作るよ、痛バ」

「「はいはい」」

「えー、なんか気になるんだけど」

「気にしなくていいから!!」



 とりあえず、痛バの作り方は色々あるけど。僕が長く使えるようにと初心者向きの作り方を。


 まずは、痛バの構造から再確認。グッズを入れる仕切りとか隙間を。コースターの重ね方にもよるけど、コースターの大きさが男の手のひらくらいだから……アツシが見本に見せてくれた缶バッジとやらよりは大きめだ。


 配置はそのまま入れると崩れやすいので、土台にするシートとテープで補強するらしい。



「少しずつズラして並べていくんだっけ?」

「そうそう。このサイズと余白見つつ……横六個で縦は」

「で、こうして……」

「主さま。並べるのお手伝いいたしましょうか?」

「あ。ありがと」

「俺も篤嗣の手伝う」

「お、サンキュ」



 と、それぞれのパートナー同士で制作することになり。気づいたら、夕飯がいつもより遅くなるくらい熱中してしまっていたよ。



「出来た! これが、痛バ!」

「俺も何とか」



 お互いに手でタッチし合い、いつ使うかどうかの話し合いになったが。アツシがまた面白そうな提案をしてくれたんだ。



「どこ行くの?」

「カフェもいいけど、今度は痛バのデコすんのにゲーセンだな?」

次回はまた明日〜

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