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トリップしてきた元賢者は推し活に忙しい〜魔法提供は我が最推しへの貢物也〜  作者: 櫛田こころ


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第19話 裏山けしからん、とは?


「裏山けしからん!!」

「裏の山?」



 夕飯ちょっと後に帰ってきたアツシが、今日の撮影会の内容をご飯のときにちょっと伝えたんだけど。意味がわからない言葉を口にしてしょげてた。この近くに、裏山って特になかったような?? 


 雰囲気で違う意味なのはわかるけど、しょげているアツシの背中をナルディアが撫でてた。



「しょーがないよ、篤嗣。あれで動画機能使うと容量足りないじゃん」

「そうだけど……ユディさんが裏山ぁ」

「はいはい。相手に伝わらないヲタ用語出さないの」

「ふふ。篤嗣様は主さまが堪能されたことを羨ましがっているのですわ」

「あ、うん」



 羨ましいのはなんとなくわかっていたけど……そんな、にもあるねぇ?? だとすれば、と、ちょっと僕の部屋に一旦戻って……手に握る程度の品を持ってくることにした。躊躇ってる場合じゃないしね?



「……ミニ水晶球?」



 布に包んだままのをアツシに渡してあげれば、僕は説明も兼ねて頷いた。



「そう! 僕の終活用にと僕の語りを綴るために購入したものなんだけど。えーっと、びでお映像だっけ?? 僕の記憶があるうちにそこへ移そうか?」



 どう使うかは後で教えることにして、まずは昼間の『回想シーン』の再現を水晶の中へと投影させていく。



『写しよ、移し。我が道標をここに』



 しゅぽんと音が聞こえたけど、僕の記憶からすっかり移した証拠だ。軽く水晶を擦れば、赤く光っていく中でマリアーノちゃんたちの映像が浮かんでくる。ナルディアの姿もきちんとそのまま、ねんどろいどに背にはいろんなもちぬいたちが。


 台詞の音量も上げてあげれば……改めて見ても、完成度の高い観劇に見えてしまうね。



「……は? え、はぁ!!? おもちゃに擬態したマジックアイテムとかじゃね!!?」

「まあ、ちょっと高いけど……世話になっているし、マリアーノちゃんと引き合わせてくれた御礼にプレゼントするよ。向こうじゃ、僕くらいの魔法使いだと自分で買えるし」

「え、いや……えぇ?? 家宝にしていいのか!!?」

「映像の上書き不可の代わりに、いくらでも容量入るよ」

「……ユディさん、自分用じゃなくていいの?」

「僕はデジカメあればいいかな!」



 映像も嫌いじゃないけど、写真の方が好みなんだよね……あと、うっかり映像にして水晶に入れたら、昨夜以外の時でもマリアーノちゃんの淫らな思い出を振り返ってしまう!! それは道徳的によろしくない!! 本物は目の前にいるからね!! 生活改善も含め、恩人であるアツシへの御礼には小さいけど……喜んでくれて何よりだ。



「ふふ。主さまにしか見せないわたくし自身は……目に焼き付けてくださいましね?」

「あ、はい」



 一応許可は欲しかったみたいなので、マリアーノちゃんにはちゃんと謝罪しました……。恥じらいというか、再現でも宜しくなかった回想シーンだったようです。

次回はまた明日〜

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