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トリップしてきた元賢者は推し活に忙しい〜魔法提供は我が最推しへの貢物也〜  作者: 櫛田こころ


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第12話 まだまだ問題あり??

 銭湯という場所でも、水浴びの遊戯施設に近いものらしく。


 色んな水着を着たお嬢さんやお姉さんらもいたけど……のびのびゆっくりと、中身はお湯らしい水浴び場に浸かっているのは気持ちが良さそうだ。


 僕はマリアーノちゃんに手を引かれながらも転けないようにお湯に入ったけど……すっごくあったかいし、手足が伸ばせるのはいいな!



「気持ちいいねぇ」

「プール仕様ですので、存分に手足が伸ばせますわ」

「久しぶりに来たけど……男女比すげぇな?」

「あと、じいさんばあさん多いねぇ?」

「曲がりなりにも『銭湯』だしな」



 ふたりの言う通り、ご老人も多いけど……枯れ木手前から筋肉隆々とかまで、個性が強い強い。こっちだと国外はともかく、僕らのいる国だと犯罪事件はあっても戦はないから……比較的平和らしい。


 僕のいた国は半々くらいだけど。元賢者ってことで隠居しやすい屋敷を与えてくれた弟子には感謝かな? のどかな場所だから……マリアーノちゃと二人でならるんるん気分で毎日が楽しいかもしれない。


 研究は明日からスタートさせるし、今日は気兼ねなくこの有意義な時間を楽しもう!!……と思ったんだけど。



「おい、にーちゃん。そっちのかわい子ちゃん囲うだなんて、いいご身分してんな?」

「俺らも混ざらせてくれや」



 と、マリアーノちゃんを『女の子』と盛大に勘違いしている連中が絡んできたので……平穏終わり、ハイ。


 これは誰が誤解を解く?とアツシかナルディアを見ようとしたら、マリアーノちゃんは僕にしがみついてきた!? なんで??と聞く前に……腰が砕けそうなあの声が!!?



「ボクはこの人といっしょなの。不細工にはキョーミない」

「「……は?? 男??」」

「エチケット守っただけで、そいつはそのおっさんに首っ丈だぜ? 諦めな」



 フォローにアツシがなんか言っていた気がするけど。僕は耳に流し込まれた良い声で腰の周りが大変なことになりそうだった!! ここ、公衆の場だから!! 必要以上に尿意を引き起こしてはいけません!! しかも、色々匂わせてはいけない方で。



「ふふ。わたくしに釣り合う方は、こちらの男性ですわ。お兄さんたちは問題外ですので……お暇してくださる?」

「「あ……はい」」



 次はいつも通りの可憐な鈴声だったけど……おじさん的には、今ここで愛を告げられないのは非常に悔しい!! 背丈とかは僕の方が上なのに、なんか色々負けた気分。


 多分、夜のソレでも優位に立つのはマリアーノちゃんの方だろうなあ。お願いすれば、逆出来ないかな?? じゃなくて!! 邪な感情は一旦横に流す!!


 結局、絡んできた彼らは放心したかのような状態で向こうのプールに行ってしまい。僕はマリアーノちゃんにしがみつかれながらゆっくりとお湯を楽しむのに戻るのでした。



「ふふ。わたくしの着替えを見て興奮しないでくださいましね?」

「…………先にそれ言わないで」



 おじさんをからかって、楽しい以上の愉悦持たないでください!!

次回はまた明日〜

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