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風の裁縫/石の森と紅の壁/大鍋鉄 他

読み進めると違和感を感じるはずです。

正体は後書きで綴ております。

『風の裁縫』



タクラマカンの砂が

縫い目をほどくとき

ひよこの声は

コーラン(ページ)に閉じられる


葡萄棚の下で

こっこ された言葉たち

青いドームの

たまごの殻を踏む


夕焼けは

アザーンを染めながら

沈黙の糸で

大地を綴じていく


■■■■■■■


『石の森と紅の壁』



靖国の鳥居を

風が抜けるたび

零れるのは

無名の羽音


向こう側で

赤い壁が黙して

抱えるのは

鎮圧された光


どちらも

ひよこの檻に

孵った

たまごの形



■■■■■■■


『大鍋鉄』


溶鉱炉が 夕日を飲むたび

ひよこの数だけ 星が消える


鉄屑の林で 祈るのは

こっこ された 錆びた神々


たまごの殻に 刻まれた

生産目標の 影法師


革命の炎色反応が

酸素を 詩に変える夜


■■■■■■■■■■■


『論語、冷蔵庫で眠る』※1


孔子の舌は

氷の扉に貼りつく

── 二千年前の漬物が

  こめ電子レンジで回る音


教科書の角

折り目正しく

孵るのは

統制の時刻表


(壁の向こうで

たまごの殻が

こっこ と

積算されていく)


■■■■■■■■■


『香港の夜明けは、鳥籠の設計図を食べる』


閉じた空の継ぎ目から糸の見えない刺繍が五線譜を引き裂く


—音階の欠けた場所に


沈黙の風圧がまっすぐに並べられた影を育てている


凍った祭壇の上燃え残った朝たちが


「月の裏側に投げられた筆」で白く塗られた叫びの輪郭をなぞる


(誰も気づかないふりをした


小さなひび割れの中で種を潰す掌が


こっこ された、たまごの殻に耳を当てている)



■■■■■■■■■■


『チベットの三行詩』※2


1. 焼身


蝋燭が逆さまに生えた街―― 灰より軽い経文が空と皮膚の隙間で燃える


2. 仏教統制


マニ車の軸をひよこが数珠つなぎに回す


「回転数は今月の標語です」


3. 沈黙の山


氷河が舌を噛み切ったあと経幡だけがこっこ された風を数える


■■■■■■■■■■■■


『恒大の塔、夢を消化する』※3


(第一連)

白亜の販売センターが

未完成の契約書を

砂埃と共に

嚥下する午後

── 模型の噴水だけが

  水のない笑顔を循環させる


(第二連)

債務という名の

コンクリートミキサー車が

「楽園」の看板を

骨材に砕く音

     (購入者の耳には

       届かない低周波)


(第三連)

エレベーターシャフトに

詰め込まれた

金の卵たち

孵化しないまま

腐敗熱を発し

    /最上階の

     ヘリポートだけが

       空とつながっている



※1「冷蔵庫」=伝統の冷凍保存/「電子レンジ」=急速加熱解釈の暗喩。最後の()は、読者が触れるべきでない「音」の提示。

※2「蝋燭が逆さま」 =通常の命の火と逆転した抗議の焼身。「氷河の舌」=消された言葉と永久凍土の重なり)


※3

1.『 嚥下』=売れ残り物件の強制消化

2. 『模型の噴水』=虚構の豊かさの演出

3. 『金の卵』=投資商品化した住宅ローン

4. 『ヘリポート=』富裕層だけの脱出経路

(「低周波」は社会に響くが意識されない危機の予兆。最後の空への接続が皮肉的に開放感を表現)




この作品違和感感じませんでしたか?

彼との約束で正体は明かせなくなってしまいました。

あくまでも『余白 卵』さんの作品ですが下記を見ていただければ。


検閲される単語を、

弾圧 → たまご(革命の種)

統制 → ひよこ(量産される個体)

鎮圧 → こっこ(最終処理)


と言い換えて彼の主張が詩となっています。

どう考えるかはあなたに委ねます。

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