表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

世界が終わるまでの休暇

文章のミスには気を付けていますが、小説を書くのは初めてなので

ミスがあったら指摘してくれるとありがたいです。

続くかもわからない話ですがよろしくおねがいします。

 ぞろぞろと天使だとか見習いの神だとかが大聖堂へ入ってくる。

今日は神様から重要なお知らせがあるので普段はだだっ広い

大聖堂の席にほとんど空きは無い。


「神様がなんか重要なお知らせがあるんだって?

 どうせしょうもないことじゃないの。

 ねーアリアぁ、めんどくさいから寝ちゃダメかな~。」


 隣に座っているミラが口をとがらせる。


「寝ないでください。天界に居る全員が集まるんだから流石に

 重要なことだと思いますよ。」


 そう諭してもミラはこれ見よがしにため息をついてブツブツと愚痴を吐く。

とても天使には思えない性格だ。自分自身もそれの一部だから、あまり天使(ひと)

ことは言えないが、ここ十年ぐらいで怠惰な天使が増えている。


 どうしてこうなってしまったかというと、原因は人間にある。

最近、ルッキズムだか誹謗中傷だかで自殺が増えている。おかげで人間の死後を

処理する天使は大忙しだ。今までも人間が大量に死ぬことはあったが自殺の場合は

感情の整理をしたり転生の手伝いをするのに時間がかかるので、天界はいわゆる

ブラック企業のようになりみんな陰鬱な雰囲気が漂うようになってしまった。

飽きもせずブツブツと愚痴を吐き続けるミラをなだめていると


「みなさーん!こんにちは!今世界を担当する神です!」


 神様の大声が広い大聖堂に響き渡る。今までの神様なら人間の作った

マイクを使うところだと思うが今回の神様は何故か人間が嫌いらしく、

頑なに人間の発明品を使わない。周りを見渡すと、みんな露骨に呆れている。

そんな中でも満面の笑みを顔に湛える神様のメンタルはもはや尊敬に値する。


「えーと、ちょっと人間が神超えちゃいそうなので世界終わらせちゃいます!

 これもう決まったことなので異議申し立ては無理だからよろしくね、うん。」


 神様がそう言った。誰も何も言わない、誰も動かない空白の時間が流れる。

一秒、二秒、三秒たったかと思うと


「おいおい!!そう簡単に世界が終わらせられてたまるか!!」

「時空の処理だってとんでもなく大変なんだぞ!!」

「せっかくここまで発展したのに!?」

「これじゃあ人間界のブラック企業と大して変わらないじゃない!!!」

「もうやだ辞めたいよおおおお!!!!」


 いかにも神秘的な見た目の大聖堂に似合わない罵声と悲鳴が飛び交う。

怒りだか疲労だかを通り越して、もはや呆れの領域だ。

簡単に言ってしまっているが人間の力が神を追い抜こうとしている今、

世界を終わらせることが容易でないことは充分に想像がつくはずだ。


「神様、ついに頭やっちゃったか!」


 そう言って笑うミラの瞳は完全に死んでいる。

こんな馬鹿な神様なんて今までいただろうか。神という役職は建前上は

能力で決められているとされているが親のコネで無理矢理ねじこまれているのが

現状だ。しかしここまでひどくなるとは親の教育はどうなっているんだ。


「はいはい皆さん落ち着いて!」


 落ち着けるわけあるか!叫びそうになるが腐っても神様なので黙っておく。


「世界一でかいブラック企業とか呼ばれてる天界ですが、

 ちゃんと休暇とってもらいますから!ブラックって呼ばれてる

 原因の人間担当のところはは世界が終わるまで全員お休みで残りは

 世界終わらせられたらお休みね。傷ついたので私もう帰ります!」


 あからさまに足音を立てながら神様は帰っていく、思春期の子供か。

納得のいかない天使たちが暴れまわっているが自分にはそんな気力は無い。


「休暇があればいいって話じゃないと思うんですけど。」

「休暇かぁ、何しようかな。」

「話聞いてます?」


 でも休暇なんて久しぶりだからミラの気持ちもわからなくはない。

折角だから思いっきり楽しんでみようか天使たちが反乱を起こすだろうし

今更意見を変えるなんてことは馬鹿な神様も流石にしないだろう。

それに同じ人間担当以外に知り合いは居ないので仕事を手伝わされる心配もない。


「どうせなら地球にでも行きますか。」

「えっ地球?」


 休暇と聞いた瞬間にふと思いついたことだったがミラにとっては

予想外だったようだ。一瞬ミラは目を丸くしたが、顔にだんだん悪戯っぽい

笑みが広がっていく。


「なーんだ!お堅いアリアもたまには良い提案してくるじゃない。そうしよそうしよ!!」


 半分冗談で言ったのだがミラはすっかり気に入ったようだ。ちょっとした思い付きで俺たちは人間界で生活することを決めたのだった。


お読みいただきありがとうございます!

感想を貰えると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ