小学生な僕ら
僕の名前は……えっと、どっちでもいいよね?
僕はね、魔法が使えるんだ。今は高校一年生なんだけど、小学生になれる力。
最近の小学生は、体力が無いなんて言うけど、遊ぶことに貪欲な子や、1人日陰で座ってる子、みんなが素敵に見えてくる。
……ある日僕は、1人の女の子に出会った。とても不思議な感じの女の子。子どもなのに凄く大人びているような。そしていつも1人で、紅茶を飲んだり、花を見てたりしてる。時には分厚い本も読んでる。
僕は、気になって気になって、とうとう声をかけてみた。
「あ、の!凄く大人っぽいですね!」
……我ながらこれは無いだろう。
しかし彼女は少し照れたように
「ありがとう」
と微笑みかけてくれた。
その笑顔が、とても素敵で、僕は、とうとう恋に落ちた。
だけど、だけどだよ?小学生になれるっていっても、僕高校生なんだぜ?年の差がさ?えっとさ?いいんだっけ?
悩んだ、悩んだ。僕は悩んだ。
その間も、彼女の笑顔が頭から離れなくて、少しかすれた声が耳に残ってて……僕は考えるのをやめた。
だって好きなんだもん。
それからも少しづつ、話しかけて、僕らは、徐々に仲良くなっていった。
だけど、時折彼女が見せる憂い顔が気になって、とうとう我慢できずに尋ねたんだ。
「何を我慢しているの?」
彼女は言った。
「あなたに隠している秘密があるの」
そして物陰に誘われた。
そして
「これが本当の私」
……なんと、彼女も魔法で子どもになっていたのだ!
「ごめんね、ずっと騙してて」
「違っ!いいんだ!僕だって!」
魔法を解いた。
そこには担任教師と高一の青年がいた。
「僕はどんなあなたも好きです。」
やっと言えた。
「私も好き……だけど……」
そう、今度は教師と生徒。
「卒業まで、メールで我慢します」
「いっそ本当に小学生だったら良かったわね」
「だけど、こういう体質だから、好き合えた」
「そうね。あなたはいっぱい青春して早く大人になってね」
無茶を言う。でもそこが可愛くて。幸せな気分で家に帰った。今日は人生最良の日かもしれない。