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復讐に染まった少女は輪廻の旅の果てに……  作者: ただの小林
4周目 第4話 呪われた天使
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第4話 呪われた天使⑩

 メニシアとビリン、モネとネロは大聖堂を後にしてそれぞれが自由に行動する。

 サクラとクオン、サワンは大聖堂に留まった。


「体調はどう?」

「ある程度は落ち着いてきたよ……サワンは自由行動……ってそもそも見知った土地だからあんまり関係ないか」

「確かに私はここら辺を見て回るほどの好奇心は無いけど……まあどっちにしろサクラとは一緒にいようって考えてたしね」

「そう……でも僕はサワンの家に戻るつもりだよ。やることもないしね」

「……わかった、もう少し休んだら戻ろっか」


 サクラも約束までの時間内の行動が決まった。

 特にやることも見ることもないということで、集合場所でもあるサワンの家に戻り時間まで過ごす。


「……ねえ、サワン」

「なに?」

「一個聞きたいことがあるんだけどさ……サワンは勇者と魔女のパーティーメンバーだったんだよね」

「そうだよ~。それがどうしたの?」

「……楽しかった?」

「もちろん、聞かれるまでもない……楽しかったし、こんな楽しい旅が永遠に続けばいいと思ったくらいだよ」

「そっか……そう……」


 サワンの表情に嘘偽りは感じられない。

 本当に楽しかったんだろう……なのにあれが起きてしまった……小さき頃の――無力でしかなかったサクラにはどうすることも出来なかったあの事件が――。


「戻ろっか。ここよりサワンの家の方がまだ落ち着くだろうし」

「そうだね、人も多いからね……じゃあ、行きとは違う道から帰るとしようか――」




 サワンの言う違う道というのは裏通りだった。

 そのまま通りを進んで行く。

 

「へえ~思ってた感じと違う……割と汚いって想像してた」

「たとえそこに人や動物がいなくてもそれが綺麗にしなくても良い理由にはならない――例の大天使様の考えでね、結果裏通りも含めて都市は清潔さを保っているんだよ」


 清潔さで言うなら表通りと大差ないくらいには綺麗さを保っており、町によってはこのようなことをして意味など無いと言われても不思議ではない。


「そこまで考える領主も珍しいね……裏通りなんて他だったら放置されているところもあったりするからね」

「本人が綺麗好きというのもあるから……そういう意味では色々な職業がここには存在しているんだよ……裏通りも含めた都市の清掃を担当するものとか……本当にどれくらいあるんだか」

「サワンの場合どんな職業に当てはまるの?」

「私? そうだねぇ……強いて言うなら旅人かな?」


 意外な答えが返ってきた。


「職業って言えるの……って思ったけど、冒険者ギルドも旅人のようなもんか」


 思いのほか旅人という職業に該当するものあった。

 ただ、サワンの場合は冒険者ギルド等とは違う。


「私の場合は魔王を倒したという実績が付いたからね、報奨金として多額のお金が私の元に入ってきてね……それも、一人では使いきれないほどに」


 魔王を倒して二十年以上経った今でも残っているということなのだろうか。

 一体どれ程の金額なのか、想像が難しい。


「でもね、それを抜きにしても私は今でも旅人を自負しているから、旅の道中で冒険者ギルドが請け負うような仕事をこなして稼いでいるんだよ……まあここ数年はずっと天上大陸から出ていないけど」

「……報奨金ってさ、サワンだけが貰ったというわけじゃないでしょ?」

「うん、他のみんな――ヒロやマヤも貰ってるはずだよ……あ」


 ふと何かを思い出したかのように足を止めたサワン。


「ねえサクラ、ヒロたちのお金って今どうなっているかわかる?」

「わかるわけないじゃん」

「そうだよね~……これもあの人に聞けばわかるか」

「あの人って……」

「大天使様だよ……大天使ジャルダルク――あの人が勇者パーティーに対して報奨金を支払っている一人だからね」

「すべては今晩わかるってわけか……僕はこれで目的が出来たけど元々はその大天使の呼び出しから始まった訳だけど、そんなに気まぐれな人なの?」

「あくまで気まぐれ寄りな人ってだけの話……サクラたちに会いたがってるのもその範疇のことだと思うよ」

「そ……あれ、クオンは?」


 足元を見渡すと、付いて来ていたはずのクオンがいなくなっていた。


「あ~それならここにいるよ」


 そう言ってサワンは自身の羽を指さす。


「……」

「……そんなところで寝てたんだ」


 羽に包まれるようにしてクオンは眠っていた。


「よく寝る子だね」

「確かに寝るときは本当に寝ているけどここまで寝てるのは珍しいかも。案外ここがクオンにとって居心地の良い場所だったりするのかも」

「だったらこの町に住む人としては嬉しいね~……おっと、そんなこんなで出口が見えて来たよ~」

「本当だ……近道でもあるんだね」


 大聖堂に行くまでの道中はゆっくりと歩き進めていたというのもあるが、それを抜きにしても思いのほか早く裏通りを抜けられそうだった。

 そして、裏通りを抜けた先は都市の入り口近くだった。


「もう少しでうちに着くよ~」

「メニシアたちはいないけど、着いたら昨日の話の続きをしようよ」

「続き?」

「僕の持つ情報とメニシアの持つ情報――二つの情報を合わせてみるってやつ」

「あ~そんなこと言ってたね……いいよ、宮殿に行くまでに時間はたくさんあるしね――」


 話しながら都市を出て、サワンの家に向かう道中にそれは、唐突にして起きた――。

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