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復讐に染まった少女は輪廻の旅の果てに……  作者: ただの小林
3周目 第3話 雷魔潜む魔術都市
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第3話 雷魔潜む魔術都市③

 人混みにやられ、すっかり体調を崩したサクラは、ギルドに着くと早々に医務室に案内され、ベッドに横になっていた。

 相当に辛かったのだろう、横になるのと同時にすぐに熟睡しだした。

 ビリンたちが話し終え、サクラを見に医務室に来た際も、まだ眠りについていた。


「ここほどじゃねーけどよ、ファルカスの時はこうじゃなかったよな」

「はい、むしろ各地を旅していたのでてっきり慣れているとばかり思っていたのですけど」


 ビリンもメニシアも疑問が深まるばかり。

 唯一、クオンはサクラが幼少期の時からずっとそばにいるのでわかるはずだが、何せ猫なので会話のコミュニケーションが取れない。


「サクラさんをこのまま寝かせておいて、指定された部屋にでも行きましょうか」

「そうだな、サクラがこんなんじゃ次のことに動けないしな」


 まだ日が沈んでいないが、ビリンの言う通り、サクラがこの調子だとまともに行動することが出来ないので、今日はこの辺で行動を終える。

 ギルドの管理する宿泊施設は、ギルドの隣にあり、規模も至って普通のホテル等の宿泊施設と何の変わりない。

 よく見るとギルドと宿泊施設の間には連絡通路のようなものがあり、互いが繋がっている。

 行き来が楽そうだ。

 宿泊施設に入り、受付に向かう。

 話は既に来ているようで、すぐに案内された。

 ビリンもメニシアもギルドが運営する宿泊施設を利用するのは初めてである。

 てっきり、最低限の設備なのだとばかり思っていたが、良い意味で予想を裏切ってきた。

 普通のホテルと同等、場合によっては少し値が張るようなところと同じくらいだ。


「「……」」


 二人は唖然としていた。

 クオンは慣れているからなのか、部屋に入ると四つ並んでいるうちの奥のベッドに向かいそのまま寝始めた。


「マジでこれタダなのかよ」

「そうですね……お金はいらないと言われたとはいえ、さすがに払わないと失礼なような気がします」


 正直なところ、サクラとメニシアがファルカスで利用したホテルと比べると、こちらの方が少し良かったりと内心思っていたりする。

 相談して、各々のベッドのすぐ横に荷物を置く。

 さすがに夜ご飯まで時間があるので、それまで自由に過ごすことにした。

 と言っても、二人ともイリナに来たことがないので、外に出て下手に迷子になったりするわけにもいかないので、部屋で好きに過ごしていった。




 それからしばらくしてから、サクラが部屋に入ってきた。


「あ、サクラさん大丈夫ですか?」

「うん、寝たらある程度は元気になった」

「ある程度ってことは、まだ完全じゃねーんだな」

「そだね」


 よく見ると、先程よりだいぶマシになったとはいえ、まだ若干顔色が悪い。


「ファルカスの時にはならなかったですけど、イリナみたいに人が多すぎると体調崩しやすいのですか?」

「うーん、本当にたまにあるくらいかな。今回もそうなんだけど……」

「なんだ? 他に何かあるのか」


 結論を出すには材料が足りないのか、なかなか話すことが出来ない。


「……この町、魔力を持った学生がたくさんいるでしょ」

「まぁ。最高峰の学校があるくらいですし」

「魔力を分かりやすく感じる人からすると、ある意味ここは最悪……といっても僕だけかもしれないけど」

「でも、それだけじゃねーよな」

「……うん」


 イリナにいる魔術師の数は、学生も含めると例外的な数となるが、基本的に世界中に魔術師はいるわけで、ファルカスにも全くいない訳ではなくそれなりの数はいる。

 それに、一般の人が魔力を持っていわけではないので、少なからずイリナ程ではないにしろ、多くの魔力を感じてきている。


「なんかね、一瞬だったけど気持ち悪い魔力を感じてさ」

「気持ち悪い魔力、ですか?」

「うん、でも本当に一瞬だったし、気のせいかもしれないけどね」


 不安材料が新たに出来てしまったが、このメンバーで一番魔力に詳しく敏感なサクラが言うのだから気のせいなのかもしれない。


「考えすぎてもしょうがねーし、今日はもう休め。後のことは明日からやればいいし」

「そうするよ」


 まだいつものような力強さを感じない足取りでクオンが寝ているベッドに向かい、そのまま横になる。


「人混みもそうだと思いますけど、結構最近は大変なことばかりでしたからね」

「イエユリも含めて連戦続きだったらしいしな……だったらメニシアも同じじゃねーのか?」

「サクラさんほど動いていないので……こう言うと自分の力不足を実感します」


 メニシアが戦いに身を投じるようになったのは本当につい最近のこと。

 それに関しては仕方ないことだ。

 ビリンもそうなだめる。


「でも、追いつこうと努力してんじゃん」

「そうですね、さすがに足手まといから卒業したいですし」

「足手まといじゃねーと思うけどな」

「……ありがとうございますビリンさん」


 少しだけ気まずい雰囲気に包まれる。


「だったら私が稽古をつけてやろうか?」

「稽古ですか?」

「実戦や一人とはまた違う視点を見つけることが出来るかもしれないぞ」

「……じゃあ、お願いしします」

「決まりだな」


 ここに一組の新たな師弟関係が誕生した。

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