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復讐に染まった少女は輪廻の旅の果てに……  作者: ただの小林
3周目 第2話 疑惑の正義
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第2話 疑惑の正義③

「いや~どれくらいぶりですか? 一年ですかね~。それにしてもお久しぶりですサクラさん」

「誰ですか、あれ……サクラさん?」


 サクラが、メニシアの袖を掴んでいる。

 よく見ると震えている。

 この男がサクラにトラウマを与えた人なのだろうか。


「あの、どちらさまでしょうか」

「おやおや、もう一人おられましたか。失敬失敬、私の短所ですね。私、こういうものです」


 そう言ってポケットから小さい紙を取り出した。

 名刺のようだ。


「……冒険者ギルドの職員、ですか」


 男の正体はわかった。

 ただ、メニシアは一つの疑問が生まれる。


「あなたの正体はわかりましたが、サクラさんに何か用ですか?」

「いやいや、実はサクラさんが以前ファルカスに訪れた際にスカウトしたのですよ」

「スカウト?」


 冒険者ギルドに所属する冒険者は軒並み強者ばかりだ。

 ギルドにはギルドランクというものがあり、ランクが高ければ高いほど実力のみならず知名度も高い。

 そしてサクラは、ギルド内だけで言えば高ランク冒険者に負けず劣らずの知名度を持っている。


『絶望の華姫(はなひめ)


 何故絶望なのか。

 簡単な話、敵味方関係なく容赦がなかった。

 サクラの場合、クオンと最近仲間になったメニシア、師匠以外味方だという認識はない。

 障害となる者は誰であろうと廃除しようとするサクラ。

 実際に最高ランクであるSランクの冒険者がサクラの障害となった時、サクラは容赦なく殺しにかかった。

 結果、サクラの勘違いであったことと冒険者が重傷に近い状態に追い込まれた。

 この件でサクラの知名度がギルド内で爆発的に上がった。

 同時にサクラをスカウトしようというギルド職員が現れ、何度もサクラはスカウトされた。

 もちろん断った。

 普通の人はそこで引き下がるのだが、サクラにトラウマを植え付けたこの男だけは違った。

 しつこい。ゴキブリの生命力並みにしつこい。

 サクラの性格的には、最悪切りにかかるが、街中でさすがにそれは出来ず、逃げ回った。

 それでもまだ付いて来る。

 ファルカスを出ても来るので、魔法を使ってようやくまいた。

 しかし、数時間も逃げ回っていたので次第に男を恐怖に感じそれがトラウマとして刻まれてしまった。

 二度とファルカスに来るものかと決意したが、しょうがないとは言え立ち寄ってしまい、結果最悪と再開してしまった。


「……気持ち悪すぎませんか」

「気持ち悪いとは心外ですね。私はあくまでギルドの発展の為に――」

「ギルドの発展のためだったら少女にトラウマを刻んで良いと? だとしたらあなたは間違っている! あなたの行動は犯罪者そのものだ!」


 メニシアがここまで声を大にして言うこと自体珍しい。

 それだけサクラを大事にしているのだろう。

 サクラも、メニシアの言葉を聞いて震えが止まった。


「犯罪者ですか……心外ですが、確かにその通りですね。反省です」


 犯罪者と呼ばれたからなのか、肩を落としてしょんぼりとしていた。


「サクラさん大変申し訳ございませんでした。ただ、今回はスカウトの為にサクラさんに話しかけた訳ではないのです」

「……じゃあ何?」


 震えが止まったサクラが返す。


「あなたにとある依頼を引き受けてもらいたいのです」




 ホテルのサクラたちが宿泊する部屋にて。

 つかれたのか、サクラとメニシアはそれぞれのベッドで横になっている。

 クオンは、サクラのお腹の上で丸くなっている。


「どうしましょうか、あの方が話していた依頼」

「……」


 ギルドの職員からサクラたちに対してとある依頼をされた。

 内容を聞いて、すぐには引き受けず一旦持って帰ることにして、後日返事をすることにした。

 肝心な依頼内容とは、義賊の捕縛。

 そして依頼主はファルカス……つまり国からの依頼だ。

 なぜ義賊ごときで国がギルドに依頼を出すのかは知らないが、どうやらその義賊が国の金を盗み出し、それを貧しいものへとばら撒いている。

 正直警察で事足りるような気がしたサクラたちだが、それはギルド側も同じことだった。

 だが、頑なに依頼をしてくるものなのでギルドはそれを受理した。


「それで、誰を捕まえれば良いの」

「まだ引き受けてもらっていないので情報を開示することは出来ないのですが、一応言えることは都を守る衛兵だった者が今回の捕縛対象です」

「衛兵ですか?」

「はい。ただこれ以上は依頼を引き受けてからとなります。正直今回の依頼は少々ややこしいので……」


 そこで話が終わり、サクラたちはホテルに戻り今に至る。


「引き受ける理由は無いけど、引っ掛かるんだよね」

「依頼がややこしいということですか」

「うん、捕縛だけなのに何がややこしいのか」

「返事はいつにしますか?」

「明日にでも」

「私のことは気にしないでくださいね、サクラさんの決断を尊重しますので」

「うん」


 その後は、夕食までホテルで過ごし、時間になったらホテル内のレストランで夕食を取ることにした。

 夕食前に風呂は済ませている。

 大浴場もあるのだが、それぞれ部屋の風呂を使用した。

 最初にメニシアが入っていたのだが、時間の無駄ということでサクラも入ってきたのだがそれはまた別のお話し。

 夕食を終えた後も部屋で過ごして、そのまま眠りにつく。

 そして翌日の早朝にギルドに向かい、依頼に対する返事をしに行った。

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