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復讐に染まった少女は輪廻の旅の果てに……  作者: ただの小林
3周目 第2話 疑惑の正義
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第2話 疑惑の正義①

「いや~想像以上に大きいですねぇ」


 そう漏らすメニシア。

 サクラの言う通り、二日経ち、水の都ファルカスの入り口の門前に辿り着いた。


「サクラさんは来たことがあるんですよね?」

「うん、一年くらい前に」


 今回もそうだが、一年前に来た時も今のようなノーリアクションだった。


「あの時は面倒臭かった」

「そうなんですか?」

「ものすごくしつこい奴がいて、一瞬切り殺そうかと思った」

「ということは殺していないんですよね」

「面倒事は避けたかったし」

「面倒じゃなかったらやっていたと?」

「……さぁ? とにかく行こうか」

「そうですね」


 本当に殺しかねないと思いつつサクラに少し遅れてメニシアは後に続く。


(それにしても、サクラさんにそこまで思わせる人っていったい……)


 長い付き合いではないものの、ある程度サクラの性格を理解しつつあったメニシア。

 メニシアに対しても完全にではないが、サクラは基本心を開くということをしない。

 だいたいは無視を決め込むか興味を抱かない。

 以前メニシアを助けた際も、クオンがいたからであり、いなかったら普通に食堂に入っていたと言う。

 そんなサクラが殺意(?)を向けるほどの相手……メニシアを襲った巨漢のような感じの人だったのだろうか。

 サクラはというと、考え込むメニシアにお構いなく淡々と手続きをしていった。


「手続き終わったから行こ……メニシア?」

「……」

「メニシア?」

「な、なんでしょうか?」

「だから、手続きが終わったから行こうって言ったの」

「ごめんなさい、ボーっとしてしまって」

「別に構わない」


 二人とクオンは、門を潜り、水の都ファルカスに入る。




 水の都ファルカス。

 五大都市の一つに数えれており、特に水産物が盛んである。

 それは五大都市を通り越して大陸一でもある。

 水の都と呼ばれる所以でもある。 

 ファルカスは五つのエリアに分かれている。

 都市内のみならず、都市外の離れた位置からでも見ることが出来る城がある王族エリア。

 王族エリアに隣接する三つのエリア。

 ファルカスの北に位置する職人エリア。

 商人や旅人等が泊まるホテルや大型デパート、さらには様々な企業が並ぶ中央エリア。

 その名の通り貴族が暮らす家が並ぶ貴族エリア。

 そして、ファルカスの南に位置し、貴族以外のファルカスの住民が暮らす住居エリア。

 以上の五つのエリアでファルカスは構成されている。

 サクラたちが目指すのは中央エリア。

 そこのホテルを目指す。


「中央エリアにはギルドもあるのですよね」

「うん」


 中央エリアには、大陸最大級のギルドがある。


「ちなみにここのギルドは宿泊もできる」

「そうなんですか?」


 エリアスにも小規模だがギルドはあるが、一言で言えば静かだ。

 しかし、ファルカスのような大都市にあるギルドは、多くの人が行き交う。

 そのため宿泊できる環境が整っている。

 ただし、安全性を除き、ホテルなどと比べると必要最低限の用意のみだ。

 金銭的余裕がある者多くはホテルを利用する。

 ギルドを利用するのは、ギルドに所属している冒険者が多い。


「サクラさんは利用したことは?」

「ない」


 サクラは今まで様々な場所を旅をしてきた。

 その中でギルドに立ち寄るということは何度もあった。


「泊まろうかと思ったけどやめた」

「何かあったのですか?」

「それは……」


 サクラが言うには、以前ファルカスに訪れた際にギルドに訪れて宿泊を使用していた。

 しかし、曰く変な人(・・・)に絡まれたらしい。

 結果、すぐにギルドを飛び出しホテルに宿泊しようとした……が、その変な人はしつこかったらしく、最終的にはファルカスを離れ、野宿する羽目になった。


「何というか……災難でしたね」

「正直二度と来たくはなかったけどね」


 サクラの旅の目的は、最終目的である「魔女に復讐する」ための情報収集だ。

 以前ファルカスに来たのもそれが理由だ。

 今回はあくまで通過点。

 情報収集ではなく、船に乗るために来た。

 すぐに船に乗ることも可能だが、ここ数日は屋根の下でちゃんと休息を取ることが出来なかった。

 そのため、二泊ほどしてファルカスに滞在することになった。


「まぁ、ギルドに立ち寄らなければその変な人に会うこともないと思いますよ」

「そう願いたいけどね」


 そして、何事もなく中央エリアの宿泊するホテルに到着する。

 ホテル内に入り、トラブルなく手続きを済ませ、指定された部屋に向かった。

 比較的安価なホテルを選択したので、部屋は白を基調にしたシンプルな部屋だ。

 ベッドが二つあるツインルームなので、広さはまあまあある。


「サクラさんは私と同室で良かったのですか?」

「何で?」


 同室である理由は、ツインルーム以外の部屋が満室であったからだ。

 サクラたちの利用しているツインルームも空きが僅かで奇跡的に利用できた。


「一応男なので、その……サクラさんも異性と同室は遠慮したいという年頃だと思いますし」


 メニシアは、少し髪が長くどのような格好をしても中性的に見える。

 場合によっては女の子に見える……というより女の子にしか見えない。

 過去に何度も……何度も! 間違えられてきた。

 だが、女の子ではない。

 サクラとは年が近く、年の近い異性と同室は嫌なのではないかと考えるメニシア。


「そんなこと?」

「そんなことって……割と大事な事だと思うのですが」

「別にメニシアは何かする訳じゃないよね?」

「当たり前ですよ」

「だったらそれが正解だよ」


 そう言ってサクラは部屋の奥の方に位置するベッドに向かい、その横に荷物を置きベッドに横になる。


「まだ明るいですが、少し休憩しますか?」


 お昼前にファルカスに到着して、スムーズに事が進んだのでまだ外は明るい。


「うん、少し昼寝する。長く寝るつもりないけど何かあったら起こして」

「わかりました」


 どの環境においてもすぐに眠りにつけるサクラは、快適なベッドの腕すぐに寝息を立てた。

 メニシアは、サクラの寝るベッドの隣のベッドに座る。

 クオンを膝の上に置き、一冊だけ持って来ていた本を読み始めた。

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