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復讐に染まった少女は輪廻の旅の果てに……  作者: ただの小林
4周目 第4話 呪われた天使
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第4話 呪われた天使㉖

 大楯エイジスの威力が増加されて返されるカウンターを無傷で済ませたサワンが、サクラたちの連携攻撃を受けてどのような状態になるかはわからない。

 聖剣により放たれたグランドカリバーを避けることも出来ず直撃したサワン。

 流石に今回は無傷ではなかった……しかし――。


「殺すつもりはないとはいえよ――」

「まあ……想定の範囲だね」


 ダメージ自体はあるのだろう。

 だが、表面上は土ぼこりが被っているくらいで、致命的なダメージを与えたかと問われたら答えは否だ。


「モネとネロの時は不完全な悪魔だったということもあって対処はしやすかった。だけど今のサワンはまるで悪魔そのもの……完全な悪魔と言ってもいい……」

「加えるなら本来のサワンの実力も加味すると……先の戦いを見ているだけに想像するだけでも恐ろしいな」


 サワンの戦闘を見ているのはサクラとシュウラのみ。

 その実力を知っているからこそシュウラの言葉が吐かれる。


「サクラ、お前がモネとネロの悪魔化を解いたのはその聖剣だったよな」

「うん、聖剣の力で悪魔因子を吸収した……サワンもその要領でやればいいんだけど――」

「あそこまでの悪魔化だ……相当な因子の量に加えて早い段階であるにもかかわらず馴染み過ぎている……」

「それこそサワンが持つ呪いだろうね……ほんと、格好な餌なわけだ」

「要はサワンを弱体化させればいい訳だ……機能している神器は四つ。ある程度の弱体化はされてるんだろ?」

「もう少し弱らせたうえで聖剣で斬る……シュウラも手伝ってよ」

「わかってる。言っただろ、乗り掛かった舟だと――」




 外傷は少ないが、ある程度のダメージは蓄積されていた。

 サワンの意識はない――心臓を貫けれた瞬間――悪魔因子を植え込まれた瞬間に消えた。

 名もなき新たな悪魔が誕生した瞬間だ。

 だが、意思はない。

 言うならば機械と何ら変わりはない。

 あるのは目の前の敵を排除、滅び、絶望――。


「□□□△△△――!!!」


 耳障りな叫びを響かせるのと同時に禍々しく変貌した天使の翼――いや、悪魔の翼を全開、再びサクラたちに攻撃を仕掛ける――。

 両手には呪いで作られた禍々しい闇の剣。


「――ッ」


 二対の闇の剣を聖剣で受け止めるが、想像以上の重さで地が抉るように凹む。

 その隙をシュウラとビリンはそれぞれ左右から攻撃を仕掛けるが、翼が攻撃を防ぎ、瞬時に攻撃に転じ二人をそれぞれの方角へと吹き飛ばす。


「ビリン! シュウラ! ――ッ、くそ!」


 すぐにサクラへ攻撃を再開。

 重い二本の剣撃が襲う――。

 装備している鎧の重さもあってビリンはそう遠くへ飛ばされることはなかった。

 逆にシュウラは自身の攻撃の特性から身軽な装備ということもあって、遠く――森林のある場所まで吹き飛ばされてしまう――。

 普通の悪魔だったら容赦なく殺す……というよりもう殺している。

 それが出来ないのは悪魔の正体がサワンだから。

 加減をしなかったら下手をしたら殺してしまう……以前のサクラだったらその選択を取っていただろうが……。


「めんどく、さい!!!」


 サワンの連撃を弾き――。


「――水弾!」


 手をかざし、魔力を込めて水の弾をマシンガンのように連射。

 止まらぬ水の弾丸だが、サワンに対してダメージは与えていない。

 ただただ、サワンを中心に水びだしになってきており、徐々に大きな水たまりと化している。


「――縛れ」


 水の弾丸を発射しつつ、同時に光の鎖がサワンまで伸び、拘束する。

 抜け出そうとするも、想像以上の強固さに歯が立たない。


「水に連なる嶽顎(がくがく)よ、破邪一閃の(あぎと)となりて大いなる敵を噛み砕け――」


 大きな水たまりが宙に持ち上げられ、サワンを包みこむ。


「――?」


 完全にサワンを包み込むそれはドーム状の水の牢屋そのもの……そして水の牢屋の内側から凸凹とした何かが出現……まるでゴツゴツとした山……?


「我が名はサクラ……水牢嶽顎すいろうがくがく――」




「……ッ……どんな威力してるんだ……」


 サワンの翼による一撃が想像以上に強く、気づいたらシュウラは森林部まで飛ばされていた。

 幸い致命的な怪我を負っていない……軽傷中の軽傷。


「ここは……」


 辺りを見渡すと見覚えのある光景だった。

 サクラと再会する前、シュウラが修行をしていた場所である。

 よく見ると、シュウラが瞑想をする際に座っていた大きな岩もあった。


「縁深いことこの上ないな……って、あれは……?」


 岩の裏影に何かある。

 痛みはそれほどないので、余裕をもって体を起こし、何かがある方へと行く。


「……石像?」


 そこにあったのはいったいの石像。

 女性を模ったであろうその石像……見た目は神にも見える……さしずめ女神像と言うべきか。


「こんなのあったか……?」


 シュウラが修行していた時は女神像など無かった。

 見落としていただけなのか、はたまた……。

 試しに顔であろう部分に触れる――。


「――なっ――!」


 触れたのと同時に女神像が輝きを放つ。

 同時にシュウラが装備している手甲も同様に輝きだす。


「いや~久しぶりの外だね~」


 唐突に声が響き渡る。

 いや、これは脳内に直接語り掛けているのだ。


「誰だ!」

「もう~誰だとは失礼な……ずっとず~っと(・・・・・・・)君を見て来たのに(・・・・・・・・)――」

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