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同じ塾で隣の席の女の子が可愛い。  作者: raitiiii
中2の3学期
87/133

第87話 帰り道

「…………」


「…………」


 遊園地を出て電車に乗り、今は鈴の家に向かって手を繋いで歩いて帰っている。


 無言だが、居心地が悪いということはなく、ただただ2人で幸せを噛みしめていた。


「…………」


「!?」


 俺が幸せを噛みしめていると、鈴が俺の腕にギュっと抱き着く。


 女の子特有の柔らかさ、良い香りが俺を襲った。


「…………恋人同士なんだから、抱き着いていいよね……?」


 鈴は上目遣いで聞いてくる。 その瞳は濡れていて、キラキラと輝いていた。


「……うん」


 俺達はそこからまた無言になる。


 すると、少しして鈴が俺に話しかけてきた。


「ねぇ、陸くんに聞きたいことがあるんだけどいい?」


「いいよ。 なに?」


「陸くんってさ、いつから私のこと好きになったの?」


「正直に言うとさ、いつからかは分からないんだ。 いつの間にか好きになってたんだ」


「そうなんだ……じゃあさ、いつ私が好きだって自覚したの?」


「鈴が先輩に告白された日の放課後かな」


 俺は先輩とどんなやりとりをしたのか話す。 勿論、先輩のことは言葉を選びながら話した。


「そうなんだ……じゃあ、あの先輩には感謝しないとね。 だって、先輩がいなかったら陸くん気持ちに気づかなかった可能性もあったわけだし」


「そうだね。 会ったらお礼言うよ」


 先輩には本当に感謝しかないな。


 ご飯でもご馳走させてもらおうかな?


 そんなことを思っていると、俺も鈴がいつから好きになってくれていたのかが気になった。


「鈴はいつから俺のことを好きになってくれたの?」


「陸くんと同じで、いつからかは分からないなぁ。 でも、好きだって自覚したのはプールの時かな」


「プール?」


「ほら、私がナンパされた時助けてくれたでしょ? あの時から私は陸くんのことが好きになったんだよ」


 そうだったんだ……。


「あの時の陸くん本当にかっこよかった……今までは可愛いの方が印象強かったんだけど、あの時から陸くんが『可愛い』から『かっこいい』に私の中で変わったんだよね」


 鈴の言葉を聞いて俺は顔が真っ赤になった。


「まぁ、今の陸くんはかっこいいよりも可愛いかなっ!」


 鈴は悪戯な笑みを浮かべながら、俺を覗き込む。 鈴の顔も少し赤かったけど、明らかに俺のことをからかっていた。


「私のお菓子貰えるかもってなって、素直に頷く陸くんは可愛いかったなー♪」


「ぐぬぬ……!」


「パフェが食べたいって言った時も可愛かったなー♪」


「うぐぅ……!」


「後は——————————————」


 鈴はひたすら家まで俺の可愛かったところを話した。


 すると、そんなことをしているうちに、気づいたら鈴の家の前まで来ていた。


「あ、もう家の前だ……」


 鈴は寂し気にぽつりと呟く。 


 そして、鈴はお別れの言葉を言うために口を開いた。


 しかし、鈴の口から言葉が発されることはなかった。


 なぜなら————————————————


「…………!?!?!?」


 ———————————俺が鈴にキスをしたからだ。


 驚いて鈴の大きな真ん丸な目が見開かれていることが分かる。


 触れ合っている唇はとても熱く、柔らかかった。


「な、なななななな!!!」


 鈴は顔を真っ赤にしながら壊れた人形みたいに同じ言葉を繰り返す。


 手は唇を触っていた。


「…………帰り道、散々可愛いって言ってきたからその仕返し」


「ななななななななな!!!」


「…………じ、じゃあ帰るから!! バイバイ! 誕生日おめでとう!!」


 俺は顔を真っ赤にして走り去る。 


 いくらなんでもキザっぽすぎたかな?


 俺はチラッと後ろを振り返る。


 鈴は顔を真っ赤にして茫然と俺を見た後、悔しがりながらも嬉しそうにその場で足を踏み鳴らしていた。

87話にてやっと主人公とヒロインが恋人関係になりました!


いやー本当に長かった! ここまでかかる予定ではなかったんですけどね。


さて、これからの物語のことを書きます。


この物語のお終いは中3の卒業式の予定です。


なので、まだ物語は続きます。


長くなりますが、今後もこの小説をご愛読していただければ嬉しいです。

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