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同じ塾で隣の席の女の子が可愛い。  作者: raitiiii
中2の3学期
76/133

第76話 学校で男子達がソワソワし始めました。

「お前どうしたんだよその髪型?」


「いや、ちょっとイメチェンしようかなーって思ってさ」


 鈴の誕生日兼バレンタインデーまで残り1週間を切った。


 この頃になると男子達に変化が訪れる。


 今学校の教室に入ってきたクラスメイトだって、いつもとは違った髪型でキッチリとした感じになっている。


 他にもロッカーや下駄箱を意味もなく綺麗にしたり、話題の中で甘い物が出てくることが増えてきた。


 そう。 男子達はバレンタインデーに向けて少しでも女の子に良い印象を持たれようと必死なのだ。


 でも、そのことは勿論女の子達も分かっていた。


「ねぇ、あいつ絶対バレンタインデー意識してるよね〜分かりやすずきるでしょ」


「普段からもっと頑張れって話だよね〜」


「まぁ、でもそういうところ可愛くない?」


「あー分かるわぁ」


「でも、それって同い年の男子に向ける感情じゃなくない?」


「え、そう?」


「そうでしょ」


 席の近くにいる女の子達の話し声が聞こえた。


 ヤバイ。 そんなことを思われていたのか。


 そういえば俺も去年、この時期に少し制服を着崩してカッコつけてたよな気が……あぁぁぁ恥ずかしくなってきた!


 しかも、去年結局バレンタインデーのチョコ母さんにしか貰えなかったし! 


 うわぁぁぁぁぁ!!!


 俺は黒歴史などを思い出して顔を赤くしながら頭を抱える。


 誰も俺のことを今見ていないだろうけど、この場から消えてしまいたいぃぃぃぃ。


「ど、どうしたの陸? お腹でも痛いの? 保健室行く?」


 そんな俺を見てチアキが遠慮気味に話しかけてきた。


「いや、ちょっと消えてしまいたいなって思って」


「本当にどうしたの!? 頭大丈夫?」


 チアキが心配そうに俺の頭を見る。 おい、椅子に座っている俺の上からつむじを凝視するな。 なんか禿げちゃいそうだろ。


「いや、バレンタインデー近くてみんなソワソワしてるじゃん?」


「あー確かにそうだね」


「俺も去年はあっち側だったなーとか、カッコつけてたなーとか思うと、恥ずかしくなっちゃって……」


「だから、消えてしまいたいって言ってたんだ」


「そうなんだよ」


 チアキが前の椅子へと座る。 そこから俺達はソワソワした気持ちのまま、朝の会が始まるまで話をした。


 そして、担任の先生が教室へと入ってきた。


 すると、先生はさっき俺が見ていたクラスメイトの髪型を見た後、非情な言葉を言ったのだった。


「おい、ワックスは校則で禁止されてるぞ。 朝の会が終わったら洗い流してこい。 いいな?」


 そう言われたクラスメイトは肩をガックシと落とす。


 俺はそんな姿を見て、ありのままの自分を磨いていこうと思ったのだった。

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