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同じ塾で隣の席の女の子が可愛い。  作者: raitiiii
中2の2学期
65/133

第65話 クリスマスイブにデートです。 ⑥

「……え?」


 俺の目の前には、プレゼント用にキレイにラッピングされている袋があった。


「ここで開けてみて!」


 俺は鈴に言われた通りに開けていく。


 ラッピングを出来るだけ破かないように慎重に開けていくと、中から出てきたのはスポーツ用のネックレスだった。


 こういうネックレスって、どの競技でも割とプロの選手が首に掛けているよな。


「ネックレス……?」


「そうだよ! スポーツ用のネックレス! ユウマ君たちに聞いたら、陸くん持ってないって言ってたからさ」


 鈴はそう言うと、このネックレスの効果について話して始めた。


 ふむふむ……。 血液促進やコリの改善、モチベーションアップか……ってか!!


「本当にこれ、貰っていいの!? 俺なにもプレゼントとか用意してないよ!?」


 俺は慌てふためく。 クリスマスプレゼントまで気が回っていなかった。


 これじゃあ俺、気が利かない奴だ。


「別にいいよ。 最近の陸くんの様子見てたら、そういうところまで目がいってないんだろうなーって思ってたから」


「うぅ……」


 図星すぎてなにも言えない。


「それよりも、陸くんには聞いてほしいことがあるんだなぁ」


 俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになっていると、鈴は真剣な表情で俺のことを見る。


 それに気づいた俺は、自然と背筋がピンっと伸びた。


「陸くんが今、気持ちが沈んでるのは分かってるよ。 部活から足が遠のき始めてることも知ってる。 多分、怪我とか色々良くないことが続いて辛かったり、しんどいんでしょ?」


「……うん」


「私もスポーツはやってるけどさ、正直陸くんみたいに情熱を凄く持って競技に打ち込んでいない。 だから、なんとなく怪我した辛さは分かるけど、本当の辛さは私には分からないと思うんだ」


「だから、ここで私が陸くんに『怪我辛いよね……私も分かるよ』って言うのは、なんだか違う気がするの」


 鈴の言っていることを俺は真剣に聞く。


「それでね、私、陸くんには元気出して欲しいけど、私が出来ることってなんだろう? 伝えられることはないかな?って考えてたの」


「そうしたらね、私、陸くんに出来ることはすぐに思い浮かばなかったけど、伝えたいことはすぐに思い浮かんだの! だから、今から私は陸くんに伝えるね!」


 鈴の大きな真ん丸な目には、何を言われるのかドキドキしている俺が写っていた。


「私ね! 陸くんが頑張って走ってる姿が好き!!  一生懸命走っている陸くんがとっても好きなの!! だから、怪我が続いて気持ちが沈んでいるのは分かっているけど、まだ陸上を頑張って欲しいの!」


 鈴の言葉で、俺の沈んでいた気持ちが徐々に上がっていくのを感じる。


 心臓は激しく脈を打ち、目頭が熱くなってきた。


「私は今、もしかしたら陸くんにとってもキツいことを言っているかもしれない。

 でも、これが私の想いなんだ! だから、このネックレスと一緒に、私の想いを受け取って欲しい!」


 鈴の熱のこもった言葉は俺の心に響いた。


 確かに、人によっては鈴の想いは重たいと感じるかもしれないし、とってもしんどく感じるかもしれない。


 でも、俺はそんなことを一切感じなかった。


 寧ろ、俺の為に色々考えてくれていたという事実、こうして行動に移してくれたことが何よりも嬉しくて、俺は目から涙が溢れてしまった。


「!? り、陸くん大丈夫?」


「だ、だいじょうぶ!!」


 俺は涙を流しながら返事をする。 俺の声は酷く震えていた。


「鈴……ありがとう……!! 俺、もうちょっと陸上頑張ってみるよ……!」


「!! うん!! うん!!!」


 鈴は微笑みながら、俺の手を優しく両手で握ってくれた。


 鈴の手はあったかくて、柔らかかった。


 そして、鈴は俺が泣き止むまでずっと背中を摩ってくれたのだった。

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