第48話 塾終わりに男友達と公園に行きました。
「疲れたなぁ。 頭痛ぇ」
「なぜ、人は勉強をしないといけないのか」
「ツバサ、頭大丈夫?」
「もう……手遅れです……!!」
「なに人を勝手に手遅れにしてんだよ陸ぅ」
「いだだだだ! ごめんごめんって! 頭グリグリするのはやめてくれぇ!」
俺たちは塾で自習を終えた後、近くの公園へと来ていた。
今の時刻は21時過ぎ。
あと1時間もすれば、中学生は外に出てはいけない時間になる。
「体育祭終わって、大会終わったと思ったらもう中間テストだぜ? やってらんねぇよ」
「まあ、確かに忙しいよね。 2学期って他にも文化祭があるし、それが終わったら今度は期末テストがあるよ」
「これから寒くもなるし、大変だぞ」
「ってか、2学期終わったら直ぐにクリスマスと年明け。 年明けたら俺たち受験の年だよ? ヤバくない?」
「「「ヤバイ、ヤバすぎる」」」
俺たちはコンビニで買ったお菓子と飲み物を飲みながら駄弁る。
着々と受験が近づいてきているな。
……嫌だなぁ。
「お前らどこの高校行きたいとか決めてんの?」
ユウマがみんなに聞いてくる。
高校か……。
「俺はとりあえず学力と家からの近さ的に、○✖︎高校にしようかなとは漠然と思っている」
ツバサは○✖︎高校か。
この辺の中学生が一番通う高校だな。
でも、地味に偏差値が平均よりちょっと上なんだよな。
「ボクは特に決めてないかな。 強いて言うなら男子校は嫌だ」
「なんで?」
「だって折角の高校生活に女の子がいないんだよ!? そんなのは絶対に嫌だ! ボクは絶対に共学に行くよ!」
「でも、チアキって男子校行ったらモテそうだよね」
「そうそう。 文化祭とかでもし女装コンテストとかあったら、ブッチギリで1位取りそう」
「なにそれ!? そんなことないよねユウマ!」
「…………」
「なんで目を晒すのぉ!?」
いや、だって男から見てもチアキ可愛いもん。
それに最近、近藤さんがチアキを見て時々、『チアキ君って絶対女装似合うよ。 服、着てもらいたいなぁ』って言っているから、やっぱり女子から見てもチアキは可愛いんだよ。
そんなチアキが女の子に飢えているであろう男子校にいってみ?
絶対重宝されて、チアキを女装させようとする輩が出てくるって。
「ま、まあチアキの話は置いといて」
「置いとかないで!」
「陸は高校どうするんだよ?」
ユウマからの質問に俺は考えてしまう。
高校か……あんまり考えたことなかったな。
「正直、高校についてあんまり考えたことないなぁ。 でも、強いて言うなら陸上がそこそこ強くて、俺の学力にあった高校に行きたい……かな?」
今の時点では高校でも陸上は続けたい。
後、学力が上がってきているからどうせなら受験時に俺の学力にあった高校を受けたいな。
「ふーん。 明確に行きたい高校はねぇのか。 でも、目的があるのは凄いな」
「そうかな? ありがとねユウマ。 で、ユウマは行きたい高校とかないの?」
俺がそう聞くと、ユウマは困った顔になりながら頭を掻く。
「正直俺も高校についてあんまり考えたことがねぇ。 でも、漠然と普通科がいいなとは思ってる」
「そうなんだ」
俺たちは話し終えると、少し場が静かになる。
そういえば、進路についてこんなに話したのは初めてだな。
……中学校を卒業すれば、こうやってみんなで駄弁るのも難しくなるのかな?
場が少ししんみりとした感じになる。
それを感じとった俺は、みんなにこう言うのだった。
「とりあえず進路はまだ分かんないけどさ、どうせ俺たちのことだし、もし高校がバラバラになってもこうやってまた集まってるさ!」
俺が笑いながら言うと、みんなも笑いながらそうだなと同調してくれた。
中学校卒業まで約1年半。
どうなるか分からないけど、目一杯中学生活を楽しもう。
——————————————みんなで。
俺はそんなことを思いながら、夜空を見上げたのだった。




