第47話 自習部屋に行くと、同じ塾で隣の席の女の子がいました。
「こんばんは〜」
「おぉ〜春名じゃないか。 勉強しに来たのか?」
「はい。 中間テストも近づいてますしね」
「おぉ……成績が悪かった春名が自分から自習しに来るなんて……塾長嬉しいぞぉ!」
「はは……」
「今、自習室はほとんど使ってないから広々と使えるぞ。 自習、頑張ってな」
「はい。 ありがとうございます。 使わせてもらいます」
今日は自習をする為に塾に来た。
塾長がなんか感動していたけど、少し恥ずかしいな。
「失礼しま〜す」
「ん? はーい」
俺は自習室のドアを開けて中に入る。
すると、可愛らしい声が聞こえてきた。
この声は——————————————
「あ、陸くん。 陸くんも自習しに来たの?」
「うん。 鈴もそうなんだ」
「そうなんだよー今日は家だと集中できなくてさー」
自習室にいたのは鈴だけだった。
確かに塾長が言っていた通り、広々と使えるな。
俺は鈴と話しながら席に座る。
すると、鈴が小さな声であっ……と言った。
?? どうしたんだろ?
「どうかした?」
「いや、陸くんそこ座るんだと思って」
今俺が座っているところは、鈴から少し離れている席だ。
まぁ、こんだけ広いし、いきなり鈴の横に座るのは勇気がいる。
だから、この席にしたんだけど……。
「もしかして、この後誰かこの席使うとか?」
それなら、俺はどかないといけないな。
先客がいるならしょうがない。
「いや、誰も使う予定はないよ! ただ、どうせなら隣に来てくれたら良かったのにって思って」
「えっ?」
「あ、いや、隣ならさ! 分からないところとか直ぐに聞けるじゃない!? だから、他に他意はないよ!?」
「お、おう!?」
鈴は顔を真っ赤にさせながら早口で喋る。
連動するように胸の前にある両手がヒラヒラと激しく動いていた。
な、なんか突っ込むのは可哀想だからそっとしておこう。
「じゃ、じゃあ隣行かせてもらおうかな」
「どうぞどうぞ!」
俺はいそいそと荷物を持って隣の席へと移動する。
塾で鈴が隣の席にいる。
それはいつものことだ。
でも、いつもは席が離れていて、俺たちの間には北山先生がいる。
でも、自習室の机はくっついている。
いつもより鈴が近くにいて、妙に緊張してしまった。
「す、鈴は今なに勉強してるの?」
「私は今英語を勉強しているよ! 明日ちょうど小テストなんだ! だから、それも兼ねて勉強しているの。 陸くんはなに勉強する予定なの?」
「俺はここに来て決めようと思ってたんだ。 だから、鈴が英語勉強しているなら、俺も英語勉強しようと思う」
俺はとりあえず英語の教本を取り出す。
5教科全部の教本をとりあえず持ってきていて良かったな。
「そうなんだ。 なら、分からないところあったらお互いに教えあおうよ!……どうかな?」
「全然いいよ!……なんか教えあって勉強するのって久しぶりな気がするね」
「へへっそうだね!」
俺たちはそれぞれの教本を開きながら勉強する。
時々、分からないところを教えあい、それでも分からない時は辞書で探したり、暇している先生を捕まえて教えてもらった。
そして、約2時間みっちり勉強をしたのだった。
終わった後は授業を終えた北山先生が来てくれて、チョコレートをくれた。
そのチョコレートがとっても甘く、頭を使った俺たちを癒してくれるのだった。




