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同じ塾で隣の席の女の子が可愛い。  作者: raitiiii
中2の2学期
43/133

第43話 体育祭です。

 暑い暑い日差し。


 空気は少し埃っぽく、視界には小さな砂嵐が吹いているのが分かる。


 朝は少し落ち着いていた太陽も今はほぼ真上にあがり、容赦なく日差しを俺達に浴びせていた。


 今から始まるのは午後の部。


 今のところ白組が優勢だった。


 ちなみに偶数の組が白組、奇数の組が赤組だ。


「まだ逆転できそうだな」


 俺は点数表を見ながら小さく呟く。


 午前は色々と面白いことが起こっていた。


 パン食い競争では近藤さんが一生懸命跳ねている姿を見て、みんなが和んでいたし、借り物競走で必死になって『部活の先輩』を探す阿部さんは面白かった。


 村上さんが『部活の後輩』をお姫様抱っこして走った時なんて、老若男女から熱い声援が送られていたからなぁ。


 徒競走での鈴は1位が転んで棚ぼたで1位になって、同じクラスの女の子にもみくちゃにされていた。


 午前は見所がいっぱいあったな。


 ……俺のパン食い競争はつまらなかったな。


 一発でパンを取って悠々の1位。


 自分の陣地に戻ったら男子たちから『なんもなくてつまらねぇ』って言われちゃったよ……。


 ……可笑しいな。 美味しいはずなのに、少ししょっぱい味がしちゃったよ。


「お前なにテンション下がっちゃってんの? 今からリレーなんだから気合入れてくれよ? 頼むぜアンカー!」


 ユウマはそう言うと、俺の背中をおもいっきり叩く。


 あまりの痛さに思わず声が出てしまい、思わず睨むとユウマはさっさと自分の場所に戻ってしまった。


 ……あの野郎。 後で覚えておけよ。


 俺は周りからの視線を気にしながらも座り、第一走者の方を見る。


 今はみんながそれぞれのスタート位置につき、鉄砲を持っている先生が壇上の上に上がったところだ。


 できれば、1位か、3~5位で俺に来てくれ。


 1位だと頑張って順位を死守するし、3~5位ぐらいなら1人は抜けそうな気がするから。


 ギリギリで1位とか2位とかはやめてくれよ?


 クラスによるけど、もし接戦しているのが2組と6組のアンカーだったら、俺しんどいよ?


 だって二人ともサッカー部のエースとキャプテンだもん。


 俺は自分のクラスの第一走者を見ながら祈る。


 ……とにかく頑張ってくれ!


 そんなことを思っていると、パンッ!という大きな音と同時に走り出すランナー達。


 第一走者は一生懸命走っていたが、7組中5位という結果になった。


 第一走者は足速いことで有名な奴ばっかだったから、しょうがないな。


 第二走者はユウマだ。


 ユウマは早々と一人抜かし、最後の最後にもう一人を抜いたから、うちのクラスの順位は3位になった。


 1位と2位との差はあまりない。


 これはうちのクラス、1位いけるかもしれないぞ。


「はぁ、はぁ、頼んだよ春名くん!!」


 第三走者が一人抜いて、2位で俺にバトンを渡してくれた。


 1位は2組、サッカー部のエース。


 3位は6組、サッカー部のキャプテン。


 正直、1位と3位との差はあまりない。


 白熱した勝負に、周りは熱くなっていた。


 俺もみんなの走りや周りの熱量に当てられて、始まる前のネガティブな考えは吹っ飛んでいた。


「はぁ、はぁ、はぁ!」


 俺は走る。


 普段はかけないタスキから、みんなの想いや力をもらっているような気がした。


「おらぁ! 気合いみせんかい陸ぅ!!」


 同じ白組の陸上部の先輩からの叱咤激励が聞こえる。


「春名! いけるぞぉ!!」


 クラスメイトからの応援が聞こえる。


「陸先輩ぃ! ファイトですー!!」


 同じ白組の陸上部の後輩からエールが聞こえる。


 残りは200m。


 1位〜3位はほとんど差がない大接戦となっていた。


 そして、残り100mとなったところで、俺は応援を望んでいた人から、かけてほしい言葉を言われた。


「陸くん! ファイト!! 頑張ってぇ!!」


 俺は走っていてキツかったけど、思わず口元が緩む。


 ————————好きな人から頑張ってって言われたら、頑張るしかないよな……!!


「うおぉぉぉ!!」


 俺は腕を目一杯振って、加速する。


 そして、後ろからついてきていた3位を引きちぎり、必死な形相の1位を抜き、俺は見事1位でゴールしたのだった。


 うおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!


 決着がつき、グラウンドには声援や指笛が響き渡る。


 クラスの方を見るとみんなジャンプしたり、手を取り合って喜んでいた。


 良かった……。 勝てて良かった!


 俺は嬉しさで笑みが溢れる。


 そして、鈴の声援が聞こえた方を向くのだった。


 鈴は近藤さんと喜びを分かち合っている。


 鈴の頭についている鉢巻きは俺と同じ白色だ。


 俺が鈴を見ていると、鈴は俺に見られていることに気づいた。


 すると、鈴は向日葵のような明るい素敵な笑顔で、俺に向かってピースサインをするのだった。


 それに対して、俺も負けないぐらいの笑顔でピースサインを返すのだった。

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