柿のいろ
まっ赤に熟れた柿の実のようなこの倦怠感をひと言で表すとしたら、“孤独”という表現が適しているのだろうと思う。
それはある種言い訳のような言葉で、──
かたいアスファルトの上に意識を置いて、低く遠くつづいていく擦れた雑音を耳へ流込む……。
── 赤面するほど撥ねつけて、このなんとも言えない嫌な気分を、私自身に説明するのだろう。
* 以下、おまけの詩 *
赤く見えるものは、受けた光の中から赤色を反射し、他の色を吸収しているのだという話を聞いた。
周りから見えている自分というのは、自分にとっては嫌な部分ばかりなのかもしれない。
好ましく思うものは、自分の内側に入れてしまいたいですからね。
私が人間のかたちをして歩いているのは人間が嫌いだからなんだな。