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宇宙戦記:Art of War ~僕とヤンデレ陛下の場合~  作者: 土岡太郎
第4章 第一次対大同盟戦

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ライン方面戦 02


 ヨハンセンの旗艦『パンゴワン』の会議室で、集まった艦隊の幹部達は本国から送られてきた通信内容について会議をおこなっていた。


 本国から送られてきた通信文は、諜報部から齎されたモノで以下のような内容である。


 ###


 宇宙暦1799年4月18日―


 宣戦布告と同日にドナウリア領ブラッセル星系ブラッセルを、オソロシーヤ帝国の艦隊10000隻がバーデ=ヴィルテンベルク星系惑星シュツットガルトへ向けて航行中


 更に12000隻の艦隊が、オソロシーヤ帝国領リビウ星系惑星リビウを航行中、目標は先行する艦隊と同じだと推察される


 ###


 因みにこの2艦隊が一緒に進軍していないのは、オソロシーヤ帝国とドナウリア帝国のこの戦争に対する意思の差であった。


 オソロシーヤ帝国は遥か東に存在する大国であり、今回の敵国であるガリアルムを含めその同盟国とは国を2つは挟んでいるために、自国への脅威度は少ない。


 更に数年前に隣国の【ポルスカ王国】と極東の【ヒノマル皇国】と二カ国同時戦争という舐めプをしたせいで、【ポルスカ王国】は【プルーセン王国】と【ドナウリア帝国】との三国分割、【ヒノマル皇国】とは引き分けとなり国力損耗の割には益は少なかった。


 そのため、国全体に厭戦気分が蔓延し消耗した国力がまだ回復していないオソロシーヤ帝国は、婚姻関係のあるドナウリアに参戦を求められ、戦争に参加はしたが積極に戦う気はなく、当初派遣した艦隊は先行する10000隻にとどまっている。


 だが、前回のガリアルムとの戦争で失った艦隊の再建が済んでおらず、同盟国の特にオソロシーヤの戦力を宛にしていたドナウリアの楽観的な軍上層部は、すぐさま増援を求めオソロシーヤは渋々追加で12000隻を派遣したのであった。


「ドナウリア領ネイデルラントは、エゲレスティア艦隊が駐留するノール星系の隣で、惑星シュツットガルトは、我が艦隊が現在目指しているバ=ラン星系の隣にあるバーデ=ヴィルテンベルク星系内にあります」


 クリスは会議室に備え付けられたモニターに写った星域図で、各星系の場所を説明する。


 バ=ラン星系は、今回戦場になる北の【ドナウリア領ネイデルラント】国境付近と南の北ロマリア方面との直線距離でおおよそ中間地点にあり、戦場の状況次第ではどちらかにではあるが救援に向かえる場所であり、それまでは国境守備を行うことになった。


 だが、オソロシーヤ帝国艦隊が迫っているとなると今後の作戦行動を検討し直さなければならない。


「オソロシーヤ艦隊の目的も我々と同じでしょうか?」

「そうだろうね。我々と同じで、戦況次第で北か南に援軍に向かうためだろうね」


 ウィルはオソロシーヤ艦隊の目的を自分達と同じと推察して、上官に確認すると彼も同じ考えであり二人の推察は見事に敵艦隊の目的を看破していた。


「我が艦隊はストラーブールを越え、惑星シュツットガルトまで前進して、先行するオソロシーヤ艦隊が後続艦隊と合流する前に各個撃破する」


 この後、ヨハンセンは自分の考えた作戦を説明すると、彼はロイクに意見を求める。


「中将の忌憚の無い意見を聞かせてくれなないか?」

「総司令官、よろしいですか?」


 ロイクは自分の考えた作戦を意見して、そこから二人はお互いの作戦の良いところを上手く合わせて新たな作戦を立案していき、残りの者達は二人に割って入ることが出来ず黙ってその様子を見守っていた。


「では、我が艦隊は補給が済み次第、先行して作戦の第一段階を行います」


 作戦計画の討議が終わった後、ロイクとゲンズブールは席から立つとヨハンセンに敬礼してそう告げる。


「中将、よろしく頼む」


 ヨハンセンが答礼しながら、そう答えるとロイク達は会議室を後にする。

 その後にウィルも敬礼して、会議室を出て行くと残ったヨハンセンは、大きくため息をつき独り言のようにこう呟く。


「やれやれ、最高司令官がこれほど疲れるとは… これなら、キグルミの中の人のほうがよほど気楽だな」


(こんなことなら、広報部から転属するんじゃなかったな…)


 彼は最後の言葉は、流石に口には出さなかった。


 だが、総司令官として将兵の命を預かっている以上、その責任を果たすために彼は立案した作戦に起きるかもしれないあらゆる状況を想定して、その対応を頭の中でシミュレーションする。


 宇宙暦1799年4月18日のその日の内に、補給を済ませたロイク艦隊は惑星ランヌを進発して、ヨハンセン艦隊に先駆けてバーデ=ヴィルテンベルク星系に進行を開始した。


 ロイク艦隊旗艦『エクレール』の艦橋で、ゲンズブールは指揮席に座るロイクに近づく戦いに高揚しながらこう話しかける。


「閣下、忙しくなりますな」

「そうだな」


 ロイクはキリッとした表情で、最高にいい声でこう答える。――が


(よし! 今のうちにエロ動画を見溜めておくか…)


 心の中ではこのような事を考えていた。


 宇宙暦1799年5月11日―


 バ=ラン星系惑星ストラーブールを経由して、国境を越えたロイク艦隊は国境近くに建設されていた国境監視施設と駐留していた艦艇を強襲して、撃破若しくは降伏させるとそれを手始めに近くの軍事施設を次々と襲い破壊又は降伏させていく。


 彼の目的はシュツットガルトまでの航路に建設されている軍事施設を降伏或いは破壊することで、後ろから進行してくるヨハンセン艦隊の安全を確保する事とこちらの動きを敵に把握させない事、それと不足すると想定される食糧を奪うことである。


「よし、物資を接収した後、急いで次に向かうぞ。敵の駐留艦艇が合流する前に、各個撃破していく」


 ロイクの予測通り、軍事施設が襲われている情報が周辺の敵に伝われば、合流して迎撃に来る可能性がある。


 とはいえ、この辺りを支配しているバーデ大公国の艦艇数は少なく大多数は北ロマリアにゲルマニア諸国連合艦隊として出撃しているため、駐留艦艇は数が少なく合流したところで、3000隻のロイク艦隊には太刀打ち出来ない。


 そのため、殆どの施設と駐留艦艇は降伏勧告に応じたが、被害は抑えるに越したことはないため、合流される前に迅速を旨として行動する。


 こうして、ロイク艦隊は同じ理由で艦艇数の少ない隣国のヴィルテンベルク王国領に侵入すると、そこでも軍事施設を目立った被害も出さずに降伏させていく。そして、その侵攻は敵首都星シュツットガルト手前にまで迫る。



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