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宇宙戦記:Art of War ~僕とヤンデレ陛下の場合~  作者: 土岡太郎
第4章 第一次対大同盟戦

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第二次ロマリア戦役 03


 宇宙暦1799年5月31日―


 マントバ要塞に、ドナウリア方面に偵察に出していた偵察艦から、敵艦隊発見の報がもたらされる。


「敵艦隊は1万隻以上で、予想通り数個の隕石を運搬しているそうです」


 ルイがこの要塞を攻略時に行った通り動けない要塞にとって、隕石による攻撃を耐えきるのは厳しく、それに加え敵艦隊は1万隻以上いるため要塞駐留艦隊と連携しても、守り切るのは難しい。


 フランは敵が駐留艦隊より艦隊が多く、更に隕石による要塞攻略を行う場合は、余計な被害が出る前に放棄するように事前に計画書を送っている。


「そうか… では、これよりプランBに移行し要塞の放棄をおこなう。各員脱出準備をせよ」


 防衛司令官ジェラール・タルデュー准将は、事前に作戦本部から送られてきた計画書通りに要塞放棄の準備に入った。


 ミヒェル・メーラー元帥率いる北ロマリア侵攻艦隊が、マントバ要塞から50万キロ到着すると隕石攻撃の準備を開始させる。


「敵駐留艦隊の動きはどうだ?」


「敵艦隊1000隻は、要塞の裏で待機しております。我が方が数で圧倒的有利であるため、敵艦隊からの攻撃準備の妨害は無いと思われます」


 メーラー元帥の問に参謀長のザハールカは、そう自分の推察を述べるが、その読みは概ね正しく駐留艦隊は攻撃を仕掛けてこなかった。


 メーラー元帥もルイと同じく氷隕石を用いているが、数は10個用意しており、取り付けたスラスターを点火させ、次々と要塞に向けて突撃を開始させる。


 その飛んでくる隕石に、遠隔操作で要塞砲を発射させ1つ目を破壊するが、ドナウリア艦隊によって侵入角度を変えて次々飛んでくる隕石は要塞に矢継ぎ早に激突して、要塞表面にある要塞砲をはじめとした攻撃設備を立て続けに破壊していく。


 度重なる隕石攻撃によって、ドナウリア艦隊が陣取る要塞東方面の表面は大きく抉られ、壊滅的ダメージを受ける。


 隕石攻撃を終えたドナウリア艦隊は、要塞に向けて前進を開始して、それと同時に駐留艦隊は絶妙なタイミングで退却を開始した。


「敵艦隊が、撤退していきます」

「放っておけ。この距離では、どうせ間に合わん」


 メーラー元帥は部下からの報告にそう指示を出すと、要塞占拠の命令を出さず代わりに警戒命令を出す。


「恐らく敵は要塞動力を爆破する手筈を整えているはずだ。2時間様子を見る」


 彼の予想通り、30分後に要塞のあちこちから火が吹き、要塞はガリアルムによってほぼ無力化される。


 これは敵にマントバ要塞を、敵拠点にされないようにする為であった。


 宇宙暦1799年6月1日―


 ジュネブ星系惑星ジュネブから、ミナノに向かう航路でガリアルム艦隊にマントバ要塞陥落の報がもたらされる。


「マントバ要塞が陥落したとのことです。なお、Bプラン通りに駐留艦隊は、無事撤退に成功してロマリア方面に撤退中で、マントバ要塞は爆破したそうです」


 クレールからの報告を画面越しに受けたフランは、「そうか…」と答えるとクレールは彼女に疑問を投げかけた。


「しかし、マントバ要塞を破壊してよかったのですか?」


「構わん。今回の事からも、あの旧式の要塞では大艦隊で来られて、隕石攻撃をくらえばどうにもならん。何よりこの戦いの橋頭堡にされるのは、戦略上不味いからな。それにこの戦いが終わって、必要ならばまた建設すればいい」


 フランはそう答えると、目の前にいるルイに少し意地悪な感じでこう言う。


「オマエが苦心して、占拠した要塞も2年しか使えなかったな」

「仕方ないですね。フラン様の言う通り、敵に渡すわけにも行きませんから」


 マントバ要塞があれば、本国と前線の補給の中継地点として活用し、いざとなればそこまで逃げて、立て籠もるなどで心理的にも余裕ができる。


 だが、要塞がなければ防衛能力のないどこかの惑星を使うことになり、それはいつ敵に落されるかわからないという不安材料になり当然籠城戦もできない。


 そのため、敵は常に補給を寸断されるという危機感と、敗北すれば本国まで長距離の撤退をせねばならないという心理的圧迫を受け続けることになる。


 これにより、作戦通り敵の背後をついて後方を遮断できれば、その戦略的効果は更に高まるであろう。


「ところで、ルイ。あまり、食が進んでいないではないか? 遠慮せずに沢山食べるといい」


 ルイは今日で約1週間、フランの作った新料理『ポトフ』を連続で食べており、正直少し飽きが来ていた。


 でも、フランがせっかく作ってくれたモノなので、食べたくないとも言えず、頑張って食べている。


「あっ はい… 美味しく頂いております…」


 ルイが笑顔を少し引きつらせながら、そう答えてポトフを食べていると、フランはそれを察してこう返してきた。


「まあ、私自身も少し飽きが来ているから、オマエの気持ちはわかっている。だが、食料を粗末にするわけにはいかないので、すまないが今回は我慢して食べてくれ。明日からはシチューにするから」


「楽しみです…」


 そう答えたルイであったが、首都星パリスを進発してから、カレー、シチュー、ポトフが一週間毎のローテーションで続いていて、正直喜べる状況ではなかったからである。


 フランも料理のバリエーションの少ないことは気にしているが、そんな彼女に文句を言わず(正しくは言えない)食べてくれているルイにこのような考えを抱く。


(やはり、ルイは優しいな。だからこそ私は好き…)


 そこまで思ったフランは、心の中だというのに急に恥ずかしくなってしまう。


 そして、そこで以前見たシャーリィの可愛い照れ方を思い出して、両手を頬に当てて頭を横に振りながら恥ずかしそうにして可愛いアピールをしてみる。


(急にどうしたんだろう? そんなにポトフが美味しいのかな?)


 だが、急に目の前でその様な事をしだしたフランを見たルイには、その意図は全然伝わらなかった。


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