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宇宙戦記:Art of War ~僕とヤンデレ陛下の場合~  作者: 土岡太郎
第3章 北ロマリア戦役

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新たなる戦いへ 03



 要塞攻略が終わって、次の日―


 フランの指示通り、要塞にやってきた艦隊に事後を任せたルイは、修理の必要な艦を置いてボローナに向けて艦隊を進発させた。


「大佐、昨日の要塞戦の疲れがまだ抜けていない者もいるでしょう。航行中、交代で休息するように命じてください。おそらくボローナに到着すれば、そのまま戦場に向かうことになるでしょう」


「やはり、そうなりますか…」

「おそらく…」


 司令官の読みを聞き、自分の読みと照らし合わせたシャルトー大佐は、各艦に班交代で休息するように指示を出し始める。


 往路は隕石を運ぶためにワープが使えなかったが、帰路はワープを使った為に2日早い約6日で到着することが出来た。


 惑星ボローナの宙域には、フラン艦隊とヨハンセン艦隊、ワトー分艦隊それと今迄の戦いで拿捕した敵艦1500隻が展開している。


「ロマリア侵攻艦隊は約1万。我が艦隊の総数は約9000。それを補うための拿捕した艦という訳ですな。ですが…」


 その拿捕艦隊を見たシャルトー大佐は、懸念をルイに進言しようとしたが、ルイもそのことには気付いており、彼にこう答えることにした。


「大佐の懸念はわかります。ですが、聡明な殿下がその事に気付かない訳がありません。きっと、それを踏まえてのことでしょう」


「それもそうですな」


 大佐はあのチート級の軍事の天才が、自分如きが気付くことを気付かないはずはないとルイの反論に納得する。


(それに、クレールさんやロイクさん、なによりヨハンセンさんが、その事を進言しないわけがない)


 ルイはボローナ到着早々にフランに呼び出されたので、そう思いながらも一応この懸念の事を聞いておくことにした。


 いつもの通りに、フランの部屋に呼び出されたルイは、早速彼女に懸念を問い質すが、それに対する説明を聞いた彼は自分の心配が杞憂であったことを知る。


「フフフ。ルイ、中々良い作戦だろう?」

「さすがフラン様です」


「そうだろうと言いたいところだが…」


 そう答えた彼女は少し不機嫌な感じでいた。


 その事に気付いたルイが、フランに不機嫌な理由を尋ねると彼女は、先程までの不機嫌な顔が嘘のように喜びの表情に変わって、更に照れた顔になり肩に掛かる銀色の髪を照れ隠しで触りながらこう言ってくる。


「ルイは私の気持ちの変化がわかるのか~。それだけ、私の事を見てくれているってことだな~」


(いえ、別にそこまでは見ていません。ただ、付き合いが長いから、解るだけです)


 ルイは心の中でそう思いながら、苦笑いするしかなかった。


 何故なら、そのようなことを言えば、どうなるかは火を見るよりも明らかであったからである。


「私が不機嫌に見えたのは、この作戦をヨハンセンも考えついてことだからだ」

「流石ヨハンセン閣下ですね」


「優秀な人材は貴重だ… だが、優秀すぎる部下は…」


 フランは洋扇を広げて口元を隠しながら、目線をルイから逸してそう呟く。


(後顧の憂いとなるか…)


 ルイはフランが口元を隠して、自分から目線を逸らせる時は、大抵自分に知られたくない事を考えている時だと解っていた。


「では、食事としようか!」


 フランはそう言って、キッチンに向かうとカレーを温め始める。


(なんだと……)


 ルイは驚愕した。何故なら、せっかく一週間前に毎日食べて消費したばかりで、暫くは見たくもないというカレーが、またもや目の前に現れたからである。


 今のフランに作れる料理は、カレーとシチューだけであり、シチューは以前さんざん作ったので、今回はカレーを作ったのであった。


「さあ、召し上がれ☆」


 フランは満面の笑みで、彼の前にカレーを出してくる。


「いただきます…」


 諦めた彼は、大人しくカレーを食べ始めた。

 カレーを食べているルイに、フランは満を持した感じでこのような事を聞いてくる。


「そうだ、ルイ。ワインは赤と白どちらがいい? ビーフカレーだから、赤が合うらしいが。それとも、シャンパンにするか?」


「フラン様、お酒は二十歳からですよ!」


 真面目なルイはいつかのようにフランを嗜めるが、彼女はしたり顔でこう答えてきた。


「なんだ、オマエは知らないのだな。今回の出兵の前に法律を変えて、酒は一七歳からとしたのだ」


 ルイが”どうして、そんな事を?”と質問しようとする前に、フランはそのチート的な読みで先に理由を答える。


「理由は金だよ。年齢を引き下げれば、その分酒が売れて酒税が増えるであろう? それを足りない予算に充てるためだ」


「私は、お酒は結構です…」


 法律を正当な手段と理由で変えたとなればルイには、こう言うしかなかった。


 そして、ルイは自分は酒は飲みませんとばかりに、予め用意されていたコップの水を一口飲む。


「そうか…。なら、私は肉に合うという赤でも飲もうかな」


 フランはそう言って、グラスに赤ワインを注ぎ一口飲む。

 ワインを半分空けたところで、フランは少し酔ったのかこのような事を言い出す。


「なんか暑くなってきたな……」


 そして、黒いゴスロリ軍服の上着を脱ぎだす。


「まだ、暑いな……」


 そう言ってフランは、上着の下に着ていたシャツのボタンを上から一つだけ外し、白い肌を露わにさせる。


 本当は二つ外して、胸元をルイに見せて誘惑するつもりであったが、恋愛中学生のフランには恥ずかしくて出来なかった。


 そう、実はフランは酔ってはいない!

 同じく酒が飲めないフランが飲んでいたのは、中身を入れ替えた葡萄ジュースである。


 ルイが鎖骨フェチなら、ワンチャンあったかも知れないが、残念ながら彼はそうではないので、彼女の綺麗な鎖骨を見ても白い綺麗な肌だなと思うだけであった。


 こうして、フランの<ドキドキ大人の誘惑ディナー作戦>は、<久しぶりの食事会>となり何事も起こらずにお開きとなる。



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