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質疑応答其ノ壱

ひっさしぶりに書きました。


もう止まりません!!


……多分。(だと思ったよ)

「どうぞ、腰掛けて下さい」


 私はガリル君に椅子を引いてもらい、ゆっくりと腰を下ろす。


「……寝室でお話というのもあれですしね」


 ガリル君はそう言って、私をリビングまでエスコートしてくれたのだ。

 距離?眼と鼻の距離なんだけどね……。


 この部屋……家と言った方が適切かな?このアジアンテイストの家はアパート1室くらいの部屋に屋根が付いている隠れ家的な印象だ。


 私が横になっていた寝室の隣にクローゼットなどの衣類置きと隣の部屋が共有できるウォークスルークロークが完備されていて、その先に書斎、そしてリビングと……2LDKといったところだ。

 豪華!南国のリゾート地にいるみたいだ!……行った事ないんだけどね。


「――そのご様子ですと、この家は気に入って貰えましたか?」


「うんとっても」


 私は部屋や天井に眼をあちらこちらと動かしながら返事をする。


「それは良かったです。これから衣食住する所ですからね」


 にっこりと笑うガリル君の発言に私は眼を丸くする。今、なんて言ったよ?


「え?私の家なの?」


「はい、そうですよ。至急ご用意させて頂きました」


 マジで?このイケメンは私にこんな素敵な家をプレゼントしてくれるってのか?や、家賃はいくらよ?


「私、お金持ってないよ?」


 引きつった顔だったのか、私の顔色を見てガリル君は苦笑いを浮かべて「お代はとりませんよ」と手を横に振る。


「――ただ、先程も申し上げた通りお互いの協力が必要ではありますが……」


 彼はそう言い、黄色と青色の双眼が、私を強く見つめるのだ。


 そうだった、お互いの持っている情報を共有するのだった。彼は転生者を狩る者だと言う事しか私は知っていないのだった――。


「うん、そうだね。私も知りたいことが山ほどある……」


 ここからは私の質疑に対し、ガリル君がひたすら答える形となった。


 まとめると、ここはナラカと呼ばれる地名だという。私で言う所の日本である。

 大きさは分からないけれど広大な大陸が6つに分かれているそうだ。ここはシピリタス大陸に属しているとか。

 私はナラカの都市ヴィヴァエル国にいるらしい。

 簡単に変換してしまえば、ユーラシア大陸の日本国にある東京ってことだろう。


 言語はほぼ英語と同じだけど、文字はロシアっぽい。

 お金は金貨・銀貨・銅貨みたい、いかにも異世界って感じだ。


 この世界には魔法がある。全ての生き物が魔力を宿していると言われても困る。

 私は魔力も無ければ、言葉も文字も分からない。


「それは大丈夫ですよ」


 ガリル君はにっこりと微笑む。何だ?手取足取り教えてくれるのか?このイケメンが。……嬉しいじゃないか。


 彼が大丈夫と言うのなら、何かしらの対策を練ってあるのだろう。深くは聞かず、他の事を聞こう。


 そう、ここからが()()である。


「大体わかってきた。それで……どうして転生者狩りという仕事をしているの?」


 私の質問に「きたか……」と言わんばかりに顔色が凛々しくなる。

 綺麗な金髪をとかし、ゆっくりと口を開いていく。


「……父の遺言なのです」


「遺言?お父さんの?」


「ええ。父はシピリタス大陸では知らぬ人がいないほどの大賢者だったのです。強大な魔力と知力を持っていまして、国の秩序や平和を保った英雄です。なので父には誰も頭が上がらないのです。故郷であるナラカでは特に」


「その凄いお父さんが転生者を狩れと?そもそもなんで転生者なんて言葉を知っているの?」


 ガリル君は軽く息を吐き、身構えるように口を開く。


「――父が転生者だったのです。貴方と同じ様にね」

 

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