『ズァッ』、『スッ』、『ドォッ』
掲載日:2015/07/19
少し離れたところの直方体。
その天辺のはしに、僕は立っている。
カメラをまわして、その瞬間を、逃さないように。
目標の直方体は、かなり古びている。
周りには重要なものはなにもなくて、小さな立方体も離れたところに点々とあるだけだ。
ズァッ
格好よく形容すると、そうなるのかな。
目標の直方体に、亀裂が入った。
すぐそばで作業をしていたひとが、予期していたみたいに、スッ──とその場から離れる。
すぐに、変化は起きた。
ドォオオォンン
けたたましい音を立て、直方体は、瓦礫へと姿を変えた。
白煙を上げながら、自身の重さで、より細かい破片へと、姿を変えていく。
あの人は、無事に済んでいるだろうか?
カメラをその場に固定して、僕は姿を消す。
だって、ここには誰も、いないんだから。
ビルの爆破解体です。




