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☆再開1★


 『オイ!!!大悟、俺様の事を無視するな!!!』

イチゴ。


『っあ!ごめんごめん。』

謝る大悟。


『大悟……………その猫の言葉が分かるのか?』

少年が驚きつつ、かなり興奮しながら聞く。


『うん………もしかして鏡太きょうたもイチゴの言葉が分かるの?』

大悟が聞く。


鏡太とは大悟の親戚で、小学校を卒業するまで大悟と同じ学校に通っていた。

にもかかわらず、3年前とさほど変わっていないこの街で、大悟の家を思いだせないでいた。

ちなみに、鏡太が住んでいた家は大悟の家の横である。

若干、方向音痴なところがあるが、本人に自覚がないのが難点……。



『うん。俺は人間の言葉を理解できる知能を持った動物の言葉が分かるんだ。大悟はそのイチゴとか言う猫だけ?』

鏡太が聞く。


『そぉ、イチゴだけなら、なぜか理解できるんだ。』

『そうなのか……に、しても、あいかわらずカワイイ顔してんだな。』

久々の再開で、話が脱線した。


『ちゃんと案内してくれたイチゴ君にはお礼を渡さなきゃな。』

そう言うと、車のトランクを開けさせ、魚の詰まった袋をとりだした。


『なに、それ?』

『魚。案内してもらったお礼。』

鏡太自ら、家へと運ぶ。


『そんなことしなくていいよ。イチゴを甘やかすとロクな事にならないし。』

大悟が言う。


『待て!俺はコイツに道を教えてやる換わりに鯛の尾頭付きを3匹買ってもらう約束をしたんだ。』

イチゴが大悟を睨みつけながら言う。


『鏡太、それホント?』

大悟がイチゴを睨み返しながら言う。


『ホントだけど、問題でもあった……。』

何か悪いことをしたのかと焦る、鏡太。


『いくら使ったの?』

大悟は魚屋さんの言葉を思いだしていた。


『まぁ、気にするな。』

何かを察した鏡太が言うと。


『鯛の尾頭付き3匹にしては量が多くない?イチゴ君。』

大悟は、心配して捜していたときにそんな約束をし、いくらお金持ちだとはいえ、鏡太にお金を使わせたイチゴに対してかなり怒りがこみ上げていた。


『まあまあ、そんな怒るなって。』

なだめる鏡太。


『イチゴ、晩ご飯抜き。』

『大悟、そんなこと言ってイイのか?』

不適な笑みを浮かべ、余裕に満ちているイチゴ。


『どこからそんな自信がでてくるの?』

意表を衝かれたうえ、普段からあまり怒らない大悟は焦った。


『とりあえず、明日、朝からハンターcatとして魚屋を襲う。』

世間一般に言う泥棒ネコと言うことです。


『はいはい。話はそこまで。イチゴには悪いけど、みんなで、魚食べよぉ。もちろん、イチゴも食べろよ。せかっく君に買ったんだから。ネ。』

さわやかな笑顔で、場を収めた鏡太だった。


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