☆地獄の日々・初日の昼★
イチゴは朝の出来事を忘れるべく散歩に行くことにした。
『朝から酷いめにあった………家に帰りたくねぇなぁ~………』
家出らしき言葉を発しているイチゴ。
『だが、それじゃぁこの俺様が逃げた事になる………ん~……』
悩むイチゴ。
『何をぶつぶつ言ってんの?』
『何をって………』
と、イチゴは後ろから話しかけて来た人物の方を振り向きながら言う。その瞬間、イチゴは言葉を失った。
そこに立っていたのは大悟ではない。大悟より少し身長が高い少年だった。
『どうしたの?何か悩み事?』
少年がイチゴに聞く。
『……………。』
大悟以外の人間が自分の言葉を理解できる事にかなりの驚きを見せているイチゴ。
『もしかして俺が言葉を理解している事に驚い てる??』
少年が聞く。
『………………』
『こいつ何者なんだ!?!?俺の言葉が理解できるヤツがあのバカの他にいるのか………』
と、沈黙を続けながら頭の中でいろいろと考えるイチゴ。
ちなみに、あのバカ=大悟です。
『まぁ、黙り込んだままでもかまわないんだけどさぁ~、ある家を捜してるんだけど教えてくんない??』
少年がお願いする。
まさかの、猫に道を尋ねる少年登場。
『……俺が分かる家なら教えてやるが条件が2つある。その条件をどちらか1つでも断れば教えてやらん。』
イチゴ。
『条件?なに?』
少年。
『1つは何で俺の言葉をお前が理解できるか。もう1つは尾頭付きの鯛を3匹だ。でかいヤツな。』
イチゴらしい条件を少年にたたき付けた。
『オッケィ。ならとりあえずあの車に乗って。』
と、少年ゎ近くに停めてあった、いかにもこの場所に不釣合いな車を指差して言う。
『オイ。』
ア然とした表情でイチゴが呼んだ。
そして少年はニコっとし、聞いた。
『なに?』
『この車、リムジンとか言うヤツじゃ……。』
『そうだけど……気に入らなかった?』
さわやかな笑顔で聞く。
『イヤ、別になにもないが……どっかのマルフィアとかか?』
イチゴの思考回路がやや、おかしくなっているのか、マフィアを言い間違えている。
『ん~そうかもね。』
またしてもさわやかな笑顔で答える。
イチゴが間違えている言葉にを気にすることなく。
『だったら、断る。そんなヤツの車に乗りたくないね。』
徐々に冷静さを取り戻したのか、まともなことを言いだした。
『冗談だよ。14歳でマフィアなわけないどろぉ。さぁ、乗った乗った。』
魔法をかけているかのようにさわやかに言う。
『…………分かった。』
こうしてイチゴはこうして車に乗り込むのだった。
目的地の場所も聞かずに……。