表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/43

☆誕生日パーティー(前編)★


 ドアを開けると。


『パーン、パーン……。』

と、物凄い音でクラッカーが鳴り響く。

その音に驚く大悟。


『おめでとう。』

『おめでとう。』

『おめでとう……。』

みんながバラバラではあるが、盛大に声をかける。


『みんな………。』

目に涙を浮かべて回りを見渡す。

泣かないように必死に堪える大悟。

そうこうしていると親しいクラスメートや、違うクラスの親しい友人たちが歩み寄る。


『大悟、おめでとう。こんな誕生日パーティーに招いてくれてありがとう。』

『これ、プレゼント。』

などなど、大悟にお礼を言って、プレゼントを渡していた。

大悟もお礼を言いながらプレゼントを受け取っていた。

受け取っている途中に突然、全ての照明が消えた。

当然の事ながら会場内がざわめく。


ガチャ。会場内にあるステージの電気だけがつく。


『皆様、本日は林大悟、15歳の誕生日会にご出席頂き、ありがとうございます…………。』

と、司会者がいろいろ話し始めた。


『うわぁ。』

真っ暗な中、突然腕を引っ張られた大悟。誰が引っ張っているのか分からないものの、抵抗することなくステージの近くに連れ去られた。

ステージの近くになると灯りで誰が引っ張っていたのか分かった。


『よう。』

鏡太が軽く右手を挙げて言う。


『よう…………………じゃないよ。』

大悟が鏡太の手を掴み、睨みつける。

そんな大悟を尻目に、鏡太は大悟の背後に移動する。


『とりあえず、言って来い。』

っと、大悟の背中を押した。


『うわ、えっ。』

押された大悟はそのままステージ上に出た。

主役の壇上に自然と会場全体から拍手が湧き上がる。


『それでは、大悟さん、一言お願いします。』

いきなりステージに上げられ、司会者から突然の言葉に緊張する大悟。


『どうしよう………。鏡太のヤツ、何考えてるんだ。オレがこう言うの苦手なの知ってるくせに………。』

大悟の心の叫び……。


『がんばれよ。大悟。』

舞台袖で大悟の姿を見ている鏡太。


『えっと、今日は、ボクのために集まっていただきありがとうございます。今までにない誕生日パーティーに感動しています。本当にありがとうございました。』

と、頭を深々と下げた。

会場には再び拍手の音が響いた。

大悟は頭を上げると、そそくさと舞台袖に退いた。


『鏡太。いきなりあんなところに出さないでよ。』

『ん?かなりシンプルだったけど、よかったと思うよ。』

と、大悟の怒りを完全に無視してニコッと微笑んでいた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ